環境心理学   (前期、2単位)    雨宮俊彦

 

講義概要

 環境心理学は、人間と環境のかかわりの心理を対象とした学際的な学問で、成立したのは1970年代とあたらしい。リンチの「都市のイメージ」とホールの「かくれた次元」が、環境心理学成立の土台となったふたつの名著である。前者の主題は環境認知であり、後者の主題は環境と対人関係である。本講義では、環境認知(講義計画2)と環境と対人関係(講義計画3)の二系列の問題群について、できるだけおおくの身近な環境デザインの例をあげながら、解説、検討する。講義の最後では、障害者や高齢者のための環境デザインについて、かんがえと事例を紹介する(講義計画4)。

講義計画

1.環境デザインの発想

 (1)環境心理学の成立 (2)アレグザンダーとパタンランゲージ (3)身近な環境の評価

2.みて移動する空間のデザイン

  (1)景観ディスプレイ  (2)環境の色彩デザイン  (3)都市のイメージと認知地図

 (4)空間サインと移動

3.プロクセミクスと領域性

  (1)4種の対人距離  (2)個体空間  (3)空間と対人関係  (4)集住のなわばり学 

(5)領域性によるソフトな防犯   (6)空間とコミニティ−

4.バリアフリ−デザイン

  (1)バリアフリーのかんがえ  (2)人工環境  (3)サイン環境

成績評価の方法  定期テストにレポートを加味して評価する。

教科書  テーマごとにプリントを配布して講義する。

参考書 「パタンランゲージ」アレキサンダー他  鹿島出版

    「人間環境学」 日本建築学会編 朝倉書店

    「建築・都市計画のための空間学事典」 日本建築学会編 井上書院

    「すまう--住行動の心理学---」 中島・大野編  朝倉書店

    「まちの色をつくる―環境色彩デザインの手法--」  吉田  建築資料研究社

    「都市のイメージ」 リンチ 岩波書店

    「かくれた次元」 ホール著 みすず書房

    「集住のなわばり学」 小林  彰国社

    「図解 バリア・フリー百科」日比野 TBSブリタニカ

    「サイン環境のユニバーサルデザイン」 田中・岩田 学芸出版社

                           (その他、随時指示する。)