人間工学とは

 

@ひとことで言うと

 designing for human use : 道具や機械、環境などを人間に適したように設計すること。

A実例

 エルゴチェア−〔背もたれの形と脊椎〕   道具のとって〔手首への負担〕

 キ−ボ−ドのキ−配列〔指の運動特性〕 心電図の聴覚的モニタ−〔聴覚認知〕

 航空機やプラントのコントロ-ル〔認知とコミュニケ-ション〕 電車の長椅子のマ-カ-〔領域性〕 etc.

B定義

「人工物aの人間が関わる部分bを、人間に適合的cにするためには、どうデザインし、どう使用したらよいのか、人間特性の知見にもとづき指針をあたえる学問d。」

a:人工の物や環境のすべて、あるいは、文化の物質的側面。

b:人間特性(形態や機能)を装置との関連で問題とする。

c:効率、安全、快適さなどの諸価値の実現を目的とする。

d:人間特性の知見にもとづかない適合性改善のいとなみとは区別される。

C名称

Human Factors・・・・人間要因(実験心理学的・システム工学的色彩が強い 米国)

Ergonomics・・・・Ergon(作業)+ Nomos(法則)(労働生理学的色彩が強い 欧州)

人間工学・・・人間工学 人と工の間の学 

D歴史

・第二次大戦中の学際的研究を契機に、1950年代に成立

・領域拡張が基本的発展パタ−ン

 第一世代(1950年代〜)"Knobs and Dials" era  運動特性にもとづく操作器具と知覚能力に もとづく計器の設計が中心。

 第二世代(1960年代後半〜)環境デザインや認知特性にもとづくソフトウェアデザインなども 問題にされるようになる。

 第三世代(1980年代〜)装置の導入にともなう、チ−ムワ−クや組織についても問題とされる ようになる。種々のハイフン人間工学がとなえられる。マクロ人間工学、消費者人間工学、文 化人間工学、etc。

E意義

・機械の性能向上、普及にともなう安全対策、効率化の三つのフェ−ズ

沂@械そのものの性能改善

操作者の適性にもとづく選抜

。操作しやすい機械の人間工学デザイン

・人間の技術への適応の強要から技術の人間化へ

・人工物との関連での人間理解