人間工学 (前期、2単位) 雨宮俊彦
講義概要
人間工学は、人工物(道具、機械、記号、体具、人工環境など)を人間の特性に適したようにデザインするために、人間の特性と人工物の関係を研究する学際的な分野である。人間工学の歴史は、50年程度しかなく、工学、医学、人類学、心理学など、諸分野の研究者が人間工学の研究と教育にかかわっているが、それぞれ重点のおきかたがことなる。
本講義では、おもに人類学と心理学の観点から、人間と人工物のかかわりを総合的にとらえ、人工物との関連での人間の理解と人間の理解と人工物デザインのための一般的指針をえることをこころみる。
講義計画
1.人間と人工物
(1)人間工学とはなにか (2)人間からみた人工物 (3)人工物からみた人間の身体
(4)尺度としての人間の身体
2.体具と道具
(1)姿勢とは (2)姿勢とはきもの・椅子・寝具のデザイン (3)手と道具
(4)左利きのためのデザイン (5)キーボードデザイン
3.認知的インタフェ−ス
(1)認知的インタフェ−スの原理 (2)視覚表示と聴覚表示 (3)アイコンデザイン
(4)ヒューマンエラー (5)組織事故
成績評価の方法 定期テストにレポートを加味して評価する。
教科書 テーマごとにプリントを配布して講義する。
参考書 「工業デザイン全集 6/上・下 人間工学」 阿部他 日本出版サ−ビス
「人間尺度論」 戸沼 彰国社
「道具の再発見」佐貫 ブルーバックス
「誰のためのデザイン」ノーマン 新曜社
「情報デザインのためのインフォーメーショングラフィックス」 メイヤー
エムディーエヌコーポレーション
「失敗のメカニズム」 芳賀 日本出版サービス
「組織事故」 リーズン 日科技連 (その他、随時指示する。)