第68回日本心理学会ワークショップ
心理学とマンガ研究
概 要
マンガは日本で独自に発展をとげた表現メディアである。マンガは、時空をコマにより分節化し、視覚と言語の複合した多様なスタイルをふくんだ、相当複雑な表現形式である。しかしなれた読み手は、マンガを非常に素早く、表現にこめられた多重の意味を把握しながら読んでいく。マンガという複雑で複合的な表現形式には、素早く的確な読みを可能にするような、心理学的に妥当性のある表現のきまりがあり、読み手はそれを身につけているものと考えられる。この表現のきまりと心理学的根拠については、近年、夏目らのマンガ評論家が独自の理論構築を試みている。このマンガ表現と読みとりの理論は、マンガと同様に日本独自の部分も多く、心理学との関わりは大きい。マンガのもう一つの特徴は、個性的登場人物と人間以外のキャラクターがデフォルメされた顔や身体で描かれ、メリハリのあるストーリーを展開していることである。ここにも心理学と関わりが深い問題群がある。本ワークショップは、このような特徴を持つマンガについて、関心をもつ心理学者が集まって自由に意見交換を行うことを目的とする。
ワークショップで使用したファイルが下からダウンロードできます。
山口陽弘「心理学とマンガ研究」(PowerPointファイル26K)
住山晋一「マンガをコマの構成要素に分解する」(PowerPointファイル48K)
<住山晋一「コマ分解の例(レイヤーごとの表示にはPhotoshopが必用です)」(psdファイル2800K))>
中澤潤「マンガ読解のプロセスモデル:マンガリテラシーとマンガ読解力」(PowerPointファイル84K)
井上智義「異文化ユーモアの理解」(PowerPointファイル5400K)
第73回日本心理学会ワークショップ
マンガ心理学の展開(1)