【財政学の館TOP】へ戻る


地方財政論履修者へのお知らせ


12月20日(木)の講義は、実験的に講演方式でおこないたいと思います。試験とは関係ありません。興味のある方だけ出席してください。
地方財政論履修者以外の聴講も歓迎します。
昨年、地方財政学会で報告した論文にもとづいて、私の考えている地方財政の構造改革のあり方について講演します。
出席される方はあらかじめ以下のPDF形式の論文をダウンロードしておいてください。

橋本恭之・前川聡子『自主財源の研究-地方分権下における所得税・住民税改革のあり方について』日本地方財政学会,2000年6月3日


講演を聴いてさらに、地方財政について研究を進めたいと感じた場合には、以下の参考文献もご覧ください。

本間正明・齊藤愼編『地方財政改革-ニュー・パブリック・マネジメント手法の適用有斐閣、2001年9月
橋本恭之・前川聡子「地方分権下における個人所得税・住民税のあり方について」『国際税制研究』No.4, 2000年. 総合研究開発機構『地方分権下の地方財政−真の自立への提言』(第2章3,第5章,第6章分担執筆)NIRA政策研究,Vol.13,No.9,2000年
橋本恭之『税制改革シミュレーション入門』2001年9月


講義計画


[講義概要] 近年、「地方分権」という言葉を耳にすることが多い。現在の我が国においては、身近な行政サービスの多くを地方公共団体が提供しているにもかかわらず、地方団体はその財源の多くを国からの補助金に依存している。この構造を是正しようとするものが「地方分権」の考え方である。この講義では、我が国の地方財政制度の解説を通じて、いまなぜ「地方分権」が必要とされているのかを考える。

[講義計画]
第1章 地方財政の機能 
財政とは 地方財政の機能  地方公共財の提供
第2章 地方財政の現状と課題  
地方財政の現状 地方財政支出の拡大 地方財政の課題
第3章 地方公共財の理論 
生産の効率性 予算配分の効率性 地方公共財の最適供給 受益者負担 行政区域の最適規模
第4章 地方の経費構造
 地方歳出の現状 地方歳出の課題 
第5章 地方税原則
国と地方の税源の分離 地方税原則
第6章 地方税制度
住民税 地方消費税 事業税の外形標準化 固定資産税 地方譲与税
第7章 地方交付税
交付税の仕組み 交付税の問題点
第8章 国庫支出金
国庫支出金とは 補助金の理論 国庫支出金の現状と課題
第9章 地方債    
地方債の仕組み 起債制限
第10章 民間活力と公営企業  
公営企業の現状 公営企業の料金決定 PFI

[成績評価の方法] 後期試験の成績を基本とするが、受講者が少ない場合には平常テストを併用する可能性あり。
[後期試験] 教科書・参考書の持ち込み不可
[教科書]なし、WEB版地方財政論入門を各自ダウンロードすること。
[参考書]林宏昭『これからの地方税システム』中央経済社¥2400、ネットでの注文はこちら
[受講生への要望]
 地方財政論は、地方財政制度の解説が中心となるため、経済学の理論を学ぶときのような知的な興奮は得られない。地方公務員を志望するもの以外にとっては、あまり魅力的でもないし、実用的でもない。地方公務員志望者にとっては、公務員試験対策上、また将来の実務のためにも必須科目といえる。したがって、講義内容はより専門的に、成績評価は、公務員試験合格レベルを目標に厳しくおこなう予定でした・・・。財政学を履修済みであることが望ましい。
[試験について]
 講義ノート、および参考文献(林宏昭『これからの地方税システム』中央経済社)より作成予定。


2001年度後期試験について


 当館の地方財政クイズ1,および2からの出題が約60点、林先生の『これからの地方税システム』からの出題が約40点となります。『これからの地方税システム』については、語群付き穴あき問題です。出題範囲は、『これからの地方税システム』のなかで講義ノートと重複している部分です。
地方財政クイズの残り19問の中から12問を出題しました。1問各5点です。地方財政クイズを完璧に覚えておけばそれだけで単位が取れます。したがって合格率の調整のためのかさ上げの可能性はほぼないと考えてください。60点未満は、不合格となります。なお、後期試験の点数が不足した場合にレポートを送りつけてくる方が時々いますが、一部の学生にのみ救済措置を認めることはできませんのであしからずご了承願います。

なお。回覧板に書いたように地方財政クイズ2において複数の出題ミスがありました。

・市町村の目的別歳出構成比に出題ミスがありました。おわびに、この問題は後期試験の範囲からはずさせてもらいます。
・次のうち都道府県税ではないものはどれかという問題にミスがありました。正解が2つあります。相続税だけでなく、料理飲食等消費税も正解になります。料理飲食等消費税はすでに廃止されています。昔出題した問題をそのまま使用してしまいました。後期試験にもしこの問題が出た場合には、相続税、料理飲食等消費税の双方とも正解として処理致します。
自動車税は、課税ベースの分類において消費とされるという説明を講義おいてしました。
これは総務省による分類(http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/gen/gen02.htmu参照)にしたがったものです。しかし、政府税調の答申では、「財産課税的な性格と、道路損傷負担金的な性格を併せ持っています。」と説明していることがわかりました。混乱を招いたおわびとして、この問題が出題された場合には固定資産税、自動車税の双方について正解として処理します。


地方財政厳選リンク集


総務省 旧自治省のホームページです
地方行革の全体像 総務省内のコーナーです。
PFIホームページ http://www8.cao.go.jp/pfi/
「市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)」の概要 旧自治省ホームページ
国庫補助負担金・税財源に関する中間とりまとめ
平成8年12月20日地方分権推進委員会
地方分権推進委員会 中間報告−分権型社会の創造−
平成8年3月29日地方分権推進委員会
地方分権時代の住民自治制度のあり方及び地方税財源の充実確保に関する答申 総務省ホームページ
分権ネット 地方分権推進ネットのページです。
21世紀の地方主権を支える税財政制度 外形標準課税で一躍有名になった東京都の税制調査会の答申のあらましです。答申本文はココからダウンロードできます。
地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 地方分権一括法案の概要です。政府官邸のページです。
地方分権一括法の概要 地方分権一括法に対する神奈川県の取り組み状況です。神奈川県のホームページです。
「大阪府行財政計画」(素案)
大阪府は、財政再建について意見募集をしているそうです。
齊藤愼研究室 地方財政関係の統計資料に関する説明が便利です。
赤井伸郎のhomepage 地方財政関係のデータへのリンクが便利です。
地方財政関係の専門論文がPDF形式で公開されています。大学院生必見。
財政学資料集 当館の資料集のコーナーです。地方財政関係の拙稿も公開しています。
地方分権キーワード Tokyo Debate Meeting内のページです。地方分権のキーワードをわかりやすく解説しています。
PHP研究所政策研究レポート PHP研究所の地方財政関連のレポートが多数公開されています。トップページは、http://research.php.co.jp/です。
教育の条件をよりよくするためにTOP 教育条件を改善しようという立場から地方交付税の問題を取り上げているサイトです。
所沢のこいぬまのホームページ 地方分権、地方財政についてのコラムを読むことができます。
日本銀行神戸支店 兵庫県の経済データが入手できます。
Hyogo Economic Research IInstitute 全国と兵庫県の主要経済データがあります。
用語の解説 知多市のホームページ内にある財政用語の解説ページです。市民向けなので解説が平易です。
用語の説明 大阪府総務部市町村課作成の市町村合併に関するホームページ内にあります。アイウエオ順に地方財政用語の解説があるので、便利です。ただし、解説はかなり専門的かも。
財政用語(HP用) 富山県市町村課作成の用語辞典です。アイウエオ順で便利です。
財政用語豆知識   〜これだけ知っていればあなたも財政通 福島県財政課作成の福島県の財政内にあります。収録語数は少な目ですが、解説は明解です。


Copyright(c) 2000 by Kyoji Hashimoto
Last Updated 2001/12/28 16:25:23