M情報セキュリティ特論(2016年度)
学部配当科目「情報セキュリティ論」では,多岐にわたる情報セキュリティの内容を,網羅的に説明した.本講義では,テーマを絞り,「暗号(群論)」「メディア」「プライバシー」「法律」から2つのテーマに絞り,輪講形式で議論を進める.
- 「暗号(数学論)」は,公開鍵暗号方式の一つであるRSA暗号を一から理解するために,基礎となる群論から解説・議論する.
- 「メディア」は画像・映像に利用される情報ハイディング技術(ステガノグラフィ・電子透かし)や匿名通信技術を取り扱う.
- 「プライバシー」は,近年話題となるプライバシーの定義からプライバシーを保護する技術(データの匿名技術)まで、様々な角度からプライバシーを議論する.
- 「法律」は,個人情報保護法を始めとする情報に関する法律を取り扱う.
なお,4)を除いて,1),2),3)のテーマに関しては,状況に応じてプログラミングも行う.
到達目標
本講義の到達目標は,選択したテーマの内容を正しく理解し,一般人にも説明できるようになることを目標とする.
授業形式
輪講形式ですすめるため,次回講義までに指定された範囲を読解する.また,各講義終了後,進捗状況に応じて課題を課す.
参考書
- S.C. コウチーニョ『暗号の数学的基礎』(Springer・フェアラーク東京)2001年
- 松井甲子雄,岩切宗利『情報ハイディングの基礎―ユビキタス社会の情報セキュリティ技術』(森北出版)2004年
- 青柳武彦『情報化時代のプライバシー研究』(NTT出版)2008年
- 小向太郎『情報法入門【第3版】』(NTT出版)2015年
他の参考書は適宜紹介する.
備考
- 基本的に理系の講義であるため,数学・工学(プログラミングなど)の理解が必要となる.特にテーマによっては最新の研究を扱う場合があるため,きちんと論文が読める(数式が読める)必要がある.
- 指導教官との話し合いの結果,選択することになるかと考えられるが,事前にどのテーマをしたいのか(もしくは別テーマか)を把握したいため,可能なら受講前に一度,河野まで連絡をお願いしたい.
- 受講人数にもよるが,場合によっては受講者が希望する日時に講義日を変更する場合がある.