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AI実習(2020年度)

近年,大量のデータの収集が容易になったこと,コンピュータの処理能力が大幅に向上したことから,人工知能(AI:Artificial Intelligence)が急速に発展し,世間の注目を浴びるようになった.特に,深層学習を利用した場合,将棋や囲碁といったボードゲームではトッププロも含め人が勝つことができなくなったり,DeepFakeなどのように人目では全く区別がつかない別の人物画像を作り出したりと,人間では到底できないことができるようになった.2030年ごろには日本の労働人口の49%がAIやロボットで代替可能という試算もあるぐらいである.
しかし,そのようなニュースを聞いて,「AIはすごい」「AIは何でもできる」「人の時代は終わった」と勘違いしている人が多い.AIにも限界があること,人ができることのすべてがAIにできるわけではないこと(逆もしかり)がわかっていない場合が多い.その結果,人がAIを使いこなすことができない状況になっている.
本実習では,深層学習までは扱わないものの,現代のAIの基礎である機械学習を実装し試すことで,AIは何ができて何ができないのか,AIの本質はどこにあるのかを理解し,AIを使いこなすことを目的とする.最初に機械学習やプログラミングの基礎を説明した後,機械学習の各モデルを実装し,様々なデータに対して実行してその結果を検証する.例題となるデータには,一般的なものから画像・文字といった各種メディアのデータを取り扱う.その後,実際に各自で用意したデータを用いて自身で機械学習を実行し,結果を検証する.
また,最先端の技術である深層学習の利用方法も紹介する予定である.

到達目標

1)知識・技能の観点

2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点

3)主体的な態度の観点

授業計画

第1回 ガイダンス,AIの歴史,機械学習のアルゴリズムの適用先と実例紹介
第2回 機械学習の基礎(1):pythonによるプログラミング
第3回 機械学習の基礎(2):scikit-learnも含めた各種ライブラリの使い方
第4回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:線形回帰,正則化
第5回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:ロジスティック回帰
第6回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:評価方法,過学習
第7回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:サポートベクトルマシン
第8回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:ニューラルネットワーク
第9回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:AIの成功例・失敗例をアルゴリズムの違いにより見る
第10回 機械学習を試す~例題を通して機械学習を学ぼう~:AIの成功例・失敗例をデータの違いにより見る
第11回 機械学習を使う~自分で機械学習ができるようになろう~:文書データ・画像データの扱いとデータ収集
第12回 機械学習を使う~自分で機械学習ができるようになろう~:データの特性確認と学習モデル適用
第13回 機械学習を使う~自分で機械学習ができるようになろう~:モデル間の比較
第14回 機械学習を使う~自分で機械学習ができるようになろう~:結果の考察
第15回 総括:課題に対する総評,人間と機械の違いからわかるこれからの社会に求められる人材とは

授業時間外学習

講義中にはモデルの解説やコードの説明,結果等を説明することになるが,AIは何が得意で何が不得意かを理解しようとしたら,自身で様々なデータを試すことが一番である.理解を深めるためにも,授業で説明したコードを使って別のデータで試したり,教科書にあるコードを使って事前に試してみたりと,予習・復習を各自でする必要がある.
なお,本実習ではプログラミング,つまり自分でコードを書いて実行するという形になる.コード自体,非常に簡単なものであるのの,大多数の学生にとっては初めてのことと思われるので,ITに慣れていない履修者は操作方法を復習する必要がある.

成績評価の方法・基準・評価

定期試験を行わず,平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する.

平常成績(30%),レポート(70%)の予定.
総点が60点以上で合格とする.各観点からの評価としては,1)知能・技能の観点および2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点を評価するレポート(70%),3)主体的な態度の観点を評価する平常成績(30%)となる.ただし,欠席(遅刻も含まれる)が4回以上の場合は,原則として不可とする.

教科書

参考書(配布資料では物足りない・自主学習したいという人へ)

様々な機械学習アルゴリズムを知りたい,pythonを勉強したいといった履修者は,上記の参考書で勉強することをお勧めする.機械学習や深層学習を数学的に理解したい場合は,実習内で参考書籍を紹介する.
なお,書籍の場合,情報が古くなる可能性があること,インターネット上にもわかりやすい記事があることから,インターネット上にある最新の記事を参考にしても構わない.

フィードバックの方法

毎回,講義の終わりに,反省点や理解が不十分であった箇所を問うためのミニッツペーパーを行う.そこで挙げられた疑問点や問題点は,次回の講義時にまとめて回答する.
レポート課題に対するフィードバックは,最終講義の際にコメントを入れて返却することで対応する.

担任者への問合せ方法

オフィスアワー
・授業の前後で対応する.
その他
・学部HPに公開されているメールアドレスもしくは関大LMSの機能を利用すること.

備考

※※ 2020年度春学期の取り扱いについて ※※

〇成績評価の方法について
変更はありません.

〇評価割合や基準・評価について
変更はありませんが,平常成績は振り返りシート(ミニッツペーパー)の提出をもって評価します.そのため,出席回数は振り返りシートの提出回数とリンクします.振り返りシートの提出状況が芳しくない場合,欠席回数が多いとみなし不可とする場合があります.

〇担任者への問合せ方法について
変更はありません.

〇授業形態について
リアルタイムでは行わず,講義内容を収録した動画をオンデマンド配信するかたちで授業を行います.動画はDropboxにアップロードします.視聴URLは,関大LMSに「資料」として提示します.スライドなどの必要な資料は,関大LMSもしくはDropboxにアップロードします.動画視聴後・資料閲覧後は,関大LMSの「レポート」「アンケート」機能を用いて,課題・振り返りシートを実施してください.締め切りは関大LMS上にて指示します.
受講生への連絡はインフォメーションシステム「講義連絡」および関大LMS「お知らせ」を用います.

〇授業計画について
オンデマンド授業の関係で内容を入れ替えて実施しています.詳細は関大LMSにて確認してください.

〇学習環境について
・各自の環境が大きく異なる(OSが異なる,ソフトのバージョンが異なる,etc.)ため,動画や授業資料の説明とは違う操作が要求される場合があります.教員側でも参考となる資料はUPしますが,全ての状況に対応することはできないので,各自で調べてください.質問があれば,関大LMSにて受付け,回答します.
・PCがある場合,在学中は無料でMicrosoft Officeソフトを利用可能なので,ソフト未所有の場合はそちらをインストールすること.
・PCがない場合,関大で実施しているPCの貸し出しに申込みすること.どうしても環境が整わない場合は,限定的に高槻ミューズキャンパスのIT室の利用を許可します.詳細は関大LMSのお知らせを確認すること.

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