新自語辞典
これまでにいろいろな言葉を作ってきましたが、だんだん数が増えてきて、自分でもすぐに思い出せないぐらいになってきています。呆けてしまわないうちに整理しておこうと思いました。また、こういう形で提示することで、より多くの人に、私の作った言葉を知ってもらえるのではないかと思います。
(2007.6.7開設)(2022.7.29更新)
令和の四天王(2022.7.24発表)
筋肉質で足腰が良い四つ相撲力士である若隆景、豊昇龍、霧馬山、若元春の4人の総称として考える。彼らが切磋琢磨してどんどん強くなると、魅力的な相撲が多くなり、大相撲が盛り上がるだろう。
プロフェッショナル・ゼネラリスト(2019.3.11発表)
幅広い様々なテーマについて社会学的に分析することできるプロ大学教師であることを示す言葉。
佐井寺ラビリンス(2018.1.23発表)
吹田市の佐井寺地区の道が複雑でまるで迷宮のように感じたことを表すために創った言葉。(「つらつら通信」第655号「佐井寺ラビリンス」参照)
ワーク・ワイフ・バランス(2017.3.6発表)
仕事をしている既婚男性にとって大事なバランスは、「ワーク・ライフ・バランス」というより、仕事と妻の機嫌とのバランスを取ることだという既婚男性の本音を表す言葉。(「つらつら通信」第622号「ワーク・ワイフ・バランス」参照)
ゆとスマ世代(2017.1..13発表)
ゆとり教育で義務教育の大部分を過ごし、大学生活においてはスマホ利用が不可欠になっている世代のこと。その特徴としては、競争心が弱く協調性が強いこと、与えられた課題はこなすがプラスアルファはしないこと(=ハードルをできる限り低めに設定すること)、軋轢を避け表面的な付き合いを大事にしていること、中身(知識量や思考力)よりも外見を重視すること、長期的な努力が苦手で短期的に結果を求めることなどがあげられる。(「つらつら通信」第613号「ゆとスマ世代」参照)
ししすせそ(2016.12.24発表)
現代の既婚女性たちに期待される役割を表した言葉。かつての「さしすせそ」(裁縫・躾・炊事・洗濯・掃除)から、「ししすせそ」(仕事・躾・炊事・洗濯・掃除)に少しだけ変わったが、働きながら子育てもしている女性のしんどさは、増えることはあっても決して減ってはいないことを表す。(「つらつら通信」第611号「ししすせそ」参照)
楽酒招福(20016.7.30発表)
楽しくお酒を飲めると幸福が舞い込むという意味。酒飲み友達から結婚にまで至ったゼミ生同士の結婚披露宴のスピーチ用に考えたもの。(「ゼミ生の声」No.4020参照)
良父賢子(2014.11.17発表)
最近の女性たちの輝き方は、良き夫を持ち賢い子を持つことによって決まっているように見えることを表した言葉。(「つらつら通信」第523号「「良夫賢子」で輝く女性?」参照)
小泉トラップ(2009年2月6日発表)
小泉純一郎が総理大臣として行ったことが、その後の総理大臣と自民党政権にとってマイナスの効果をもたらしたことを表す言葉。(「つらつら通信」第314号「小泉トラップ」参照)
育活(2009年2月3日発表)
子育てに関してマニュアル本を読んだりして必死になることを表した言葉。「就活」「婚活」のもじりとして作った。(「本を読もう!3」No.233「就活のバカヤロー」参照)
番犬型男性・ペット型男性(2008年5月19日発表)
女性に望まれる男性のタイプが、かつてのたくましく家を守るタイプから、やさしく癒してくれるタイプに変化してきたことを比喩的に表した言葉。(「つらつら通信」第282号「番犬型男性とペット型男性」参照)
スネ夫のような国・日本(2007年9月20日発表)
『ドラえもん』に登場する裕福な家の子で、ガキ大将のジャイアンの言うことにはまったく逆らえないスネ夫のキャラが、世界最大の軍事大国・アメリカの言うことに一切逆らえない日本の立場によく似ていることから考え出した言葉。(「つらつら通信」第257号「スネ夫のような国・日本」参照)
一億総傷つきやすいんです症候群(2007年6月8日発表)
何かと言えばすぐに傷ついたと言いたがる人が非常に増えたことを揶揄して作った造語。(「つらつら通信」第246号「ついに使ってしまった(笑)」参照)
喜動愛楽(2007年2月26日発表)
親や教師が、子どもや学生を育てる上で、「喜び、感動し、愛を持って、楽しむ」という気持ちが重要だということを示すために「喜怒哀楽」をもじって作った造語。(「つらつら通信」第235号「K氏式人育ての極意?」参照)
シャシシュシェショ(2006年10月3日発表)
かつて既婚女性たちに求められた能力(裁縫・躾・炊事・洗濯・掃除)の頭文字を取って「さしすせそ」という言い方があったが、今や既婚男性たちこそ様々な能力が求められているのではないかとして、新たな能力として妻や子のために運転手になれる「車夫」、優しい父親である「慈父」、家事もできる「主婦」、料理も得意な「シェフ」、それでも仕事もできなければならない「ジョブ」能力の頭文字をとって、「シャシシュシェショ」と名付けた。(「つらつら通信」第217号「現代夫道鑑」参照)
友人中毒(2006年7月15日発表)
携帯電話やミクシィが普及し、友人とのコミュニケーションがすべてと思っている若者が出てきている。そうした気持ちになっている状態を「友人中毒」と名付けた。(「つらつら通信」第208号「友人中毒?!」参照)
阪急宝塚県(2006年5月5日発表)
阪急宝塚線、箕面線、今津線の通る大阪府の
働楽親成(2006年1月13日発表)
人生をバランスよく生きるのが幸せになる秘訣ではないかという思いから、具体的な生き方として、「働き、楽しみ、親に成る」ことを目標にしてみたらどうかという意味で作った造語。(「つらつら通信」第187号「「道楽人生」ならぬ「働楽親成」」参照)
八方超美人(2005年11月13日発表)
八方美人が誰に対しても適度な距離を取りながらつき合うのに対し、「八方超美人」はすべての人から自分のことは特別に思ってくれている違いないと思わせてしまうようなつき合い方をする人のこと。非常に魅力的な人物だが、すべての人の期待に応え続けるのは困難なので、長期的に持続することはできない。(「つらつら通信」第182号「八方「超」美人はつらそう」参照)
生んじゃった離婚/こんなはずではなかった離婚(2005年7月10日発表)
前者は安易な「できちゃった結婚」後の早い離婚を、後者は「スピード結婚」後の早い離婚を揶揄した言葉。(「つらつら通信」第164号「友人になってしまう男と女の時代」参照)
就婚(2005年7月10日発表)
女性が結婚することを「永久就職」と言うのはかなり以前から使われていたが、「就婚」とは、結婚を就職活動と同じように情報集めをして将来性を分析して結論を下すべきものと考えている人の結婚のことを言う。(「つらつら通信」第164号「友人になってしまう男と女の時代」参照)
過進国(2004年6月13日発表)
経済的に成功し豊かになった先進国で、その豊かさを自明のものとして、勤勉努力の精神を持たない者が増えてきた場合、それはもはや先進国というより問題の多い「過進国」となったと言った方がよい。(「つらつら通信」第135号「過進国」参照)
嫌咳権(2004年1月29日発表)
「嫌煙権」という言葉が作られ、受動的喫煙の害も広く知られるようになったが、タバコの煙以上に直接的な害を与えるのに咳やくしゃみを人前ですることにほとんど制約がないので、「嫌咳権」という言葉を作って、他人に空気感染させることに対してもう少し配慮をするべきではないかと主張した。(「つらつら通信」第126号「嫌咳権(けんがいけん)の確立を!」参照)
FEV基準(2003年10月発表)
若者が行動を起こすのは、その行動の結果が早く(Fast)、効率的に(Efficient)、目に見える形で(Visible)現れる場合であるということを示すために作った造語。若者だけでなく、一般の人々の行動基準としても使える。(「停滞社会の中の若者たち――収斂する意識と「まじめ」の復権――」『関西大学社会学部紀要』第35巻第1号,57-97頁、参照)
NPSA(2003年3月31日発表)
NPOやボランティアばかりが非営利的な自発的活動として注目を浴びるのはおかしい。様々な社会運動も地域の伝統的な活動もみんな非営利的な自発的活動として行われている。そうした非営利的な自発的社会活動を総称する言葉として作った。Non Profit Social Activityの頭文字を取ったものである。(「非営利型社会活動(NPSA)の理論的検討」(片桐新自・丹辺宣彦編『現代社会学における歴史と批判 下 近代資本制と主体性』57-81頁、東信堂、参照)
ファミマル(2002年11月1日発表)
飼い犬を、愛玩動物を意味するペットではなく、家族の一員としてきちんとしつけて共に暮らす仲間と考えるべきではないかということを主張するために、FamilyとAnimalを合成して作った言葉。(「つらつら通信」第93号「ペットからファミマルへ」参照)
TEZUKALAND(2002年4月18日発表)
ディズニーランドやユニバーサル・スタジオというアメリカ直輸入のテーマパークが日本で大人気だが、手塚治虫の作り出した物語で日本は世界に輸出できるようなテーマパーク「TEZUKALAND」を十分作りうるだろう。ランド全体は、「火の鳥」の物語に合わせて区画を作り、「ホーンテッド・マンション」風の「ブラックジャックの館」、「カリブの海賊」か「ジュラシックパーク」風の「大帝レオのジャングル」、世界の先端を行く最新のロボットと遊べる「アトムランド」、江戸末期の社会を体験できる「タイムスリップ・陽だまりの樹」、「ターミネーター」を越える「3D・W3(ワンダースリー)」などを配置するというアイデアを発表した。(「つらつら通信」第79号「TEZUKALAND」参照)
3分の1の幸せ(2001年7月20日発表)
人は1回失敗すると次には成功を求めるという具合に、2回に1回ぐらいうまく行くことを望んでいる。しかし、現実には3回に1回ぐらいうまく行く程度で十分幸福だと思えるのではないかということを主張するために作った造語。(「つらつら通信」第58号「3分の1の幸せ」参照)
義務結婚(2001年7月8日発表)
未婚率がどんどん高まる中、婚姻率をあげるための最後の手段として、結婚を義務化するという発想も出てくるのではないかと主張した。現行の教育、納税、労働の「三大義務」は社会が存続していくために社会成員に課しているものだが、同様に結婚も義務化でもしない限り出生率の底上げはなされず、社会の存続が難しくなるという考え方は出てくる可能性があるのではないだろうか。(「つらつら通信」第57号「「義務結婚」の時代がやってくるかもしれない?」参照)
活己為公(2001年4月27日発表)
「滅私奉公」ではなく、個々の人々がそれぞれの能力を十分に活かしながら、自分たちが暮らす社会のために貢献するという生き方を示す言葉として作った。「かっこいこう」と読み、「己を活かして公の為となる」という意味。(「つらつら通信」第51号「活己為公」参照)
無思考主義(1999年12月17日発表)
身のまわりの世界にしか興味がなく、社会のことに関して何も考えずにいる人たちのことを「無思考主義」と呼ぶ。こういう人々は、投票などは行きたいとは思わないし、万一行く場合もムードとか雰囲気だけで投票してしまうような行動をする。(「つらつら通信」第10号「無思考主義の蔓延」参照)
小恋愛結婚(1999年9月21日発表)
大恋愛での結婚は短期間で相手のことが十分わからないまま結婚し、結婚してから合わないことに気づき、短期で離婚という不幸な結果を生じる可能性が小さくない。それに比べ1年以上つき合って、相手に対する無用な感情の高ぶりは起きなくなり、にもかかわらずこれといったことをするわけでもないのに一緒にいるのが心地よいといった状態になった2人なら結婚生活もうまく行く可能性が高くなる。こうした形での結婚を「小恋愛結婚」と名付けた。(「つらつら通信」第7号「「小恋愛結婚」のすすめ」参照)
学遊究友(1990年頃発表)
現代の学生の目標にしうる言葉として作った。「がくゆうきゅうゆう」、あるいは「学べ、遊べ、究めよ、友と」と読む。大学時代に、学ぶことも、遊ぶことも、友人たちと一所懸命取り組むことで、多くのものを得ることができる。(もともとは前任大学で大学のキャッチフレーズ募集という企画が行われたときに作ったもの)
旧人類的若者的革新性(1988年3月1日発表)
「新人類」と呼ばれた若者たちを分析する中で、その対比として学生運動などをしていた時代の学生たちの革新寄りの立場を示すために造った言葉である。(「「新人類」たちの価値観――現代学生の社会意識――」『桃山学院大学社会学論集』第21巻第2号,121-150頁,参照)
個同保楽主義(1988年3月1日発表)
「新人類」と呼ばれた若者たちの多数派の価値観として析出したものだが、豊かな社会の中流意識を持った人たちには広く通用する価値観だろう。個人主義的でありながら同調性も高く、世の中があまり大きく変わってほしくないと思う保守性・保身性を持ち、楽に楽しく生きていたいという価値観を言う。(「「新人類」たちの価値観――現代学生の社会意識――」『桃山学院大学社会学論集』第21巻第2号,121-150頁,参照)