期末試験における余事記載
期末試験における余事記載

 期末試験の答案に、試験の解答とは関係のない事柄(余事)を記載する学生がいます。解答とは無関係な記載ですから点数に(少なくともプラス方向に)反映することはありません。
 私は、余事記載には許されるものと許されないものがあると考えます。

(1) 大いに許され、かつ採点者がご機嫌になる余事記載
  成績のよい答案において、「先生の授業は大変わかりやすく、○○に興味を持つことができました。ありがとうございました」などと書くケース。

(2) 許されないとまでは言えないが、採点者が複雑な気持ちになる余事記載
  成績の悪い答案において、「先生の授業は大変わかりやすく、○○に興味を持つことができました。ありがとうございました」などと書くケース。

(3) 決して許されない余事記載
  成績の良し悪しにかかわらず、「勉強不足でテストのできがよくありませんでした。しかし、なんとしても卒業したいのでご配慮ください。よろしくお願いします」などと書くケース。

 三つ目のケースは、仮にテストが及第点に達していたとしても、この記載があることのみを理由として0点をつけてもよいケースです。それは何故でしょうか。
 それは、個人的な理由から、自らの努力不足を棚に上げて特別扱いしてもらおうという考えの持ち主に大学卒業資格(「法」学士はとくに!)を与えて社会に送り出すことはできないからです。そのような人は、むしろ大学にとどめて、更生するまで再教育を施す必要があります。
 大学は、専門的知識をつけることのみを目的とする場所ではなく、人間教育をその根本とする機関です。その点においては、初等・中等の教育機関と何ら変わるところはありません。

〔付記〕10年以上前に掲出した記事ですので、いまでは考え方がやや変わっているところもありますが、記録として元の表現のまま残しています。[2022.1.3]