Tips for fieldworker


■探検の5原則

(出所)川喜田二郎『創造と伝統』祥伝社,1993年,267-271頁→研究室にあります。

■「データをして語らしめよ」―記録の必要条件(4項目)

  1. とき …そのデータはいつ記録されたか。
  2. ところ …そのデータはどこで観察し記録したか。
  3. 出所 …そのデータは,どこから出てきたのか。この眼で見たか,それとも誰かが語ったのか,文献に書いてあったのか。
  4. 採集者 …誰がそのデータを採取し記録したのか。

(出所)川喜田二郎『野外科学の方法』中央公論社(中公新書332),1973年,87頁→研究室にあります。

■フィールドメモからフィールドノートへ

 取材・体験メモを取りながら。事細かに書く必要も文章にする必要はない。あとでメモを見て,思い出せるようなキーワードや思い出しにくい数値を書き留めておく。自分流の略字や記号を駆使して,取材や体験の流れをできるだけ妨げないように,メモを取ること。このメモを「フィールドメモ」といいます。

 「フィールドメモ」をその日のうちに,録音や撮影を行ったならその結果も使って,誰が見ても誤解のないような文章にして清書しておく(これを「フィールドノート」という)。その日のうちに文章化しておかないと,自分で書いた「フィールドメモ」が意味不明になり,思い出せることも急減する。まとめるのではなく,聞いてきたことをできるだけ忠実に再現するのがポイント。目安としては,取材の場合であれば,手慣れていても取材時間の4倍はフィールドノートの作成に必要。

■作品化までの手順

  1. 取材メモやアンケート結果,文献からの抜き書きをデータカード化→別紙:データカード例。
  2. データカードのタイトルをラベルに書く(データカード1枚につきラベル1枚)。
  3. 作成したラベルを使って場作りラベルワークでチャート化(ラベルチャートに)する。
  4. ラベルチャートを文章化して骨格をつくり,データカードで肉付けして完成。

■長谷川はなぜデータカードにこだわるのか

※<データカード>→<ラベルチャート>→ラベルチャートで明らかになった骨格にデータカードで肉付けして文章化(冊子化)という段階を踏むと:

  1. 万が一冊子にならなくても,データカードやラベルチャートの形で作品は残る。
  2. 「急がば回れ」。一気に冊子にしようとすると,逆に無駄に時間がかかる。

Author: Shin Hasegawa
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