経済学教育学会第18回全国大会特別部会「学生とともに創る学びの創造」
「学生参画授業(中南米経済論)における学び」

関西大学商学部長谷川研究室
2002年11月17日

配布資料一覧

  1. 長谷川伸「第1部 本授業のアウトライン」
  2. 谷口陽一・谷澤絵美「第2部 2001年度第13回(7月5日)の授業をめぐって」
  3. 「授業企画書」2001年度第13回(7月5日)。
  4. 『中南米経済論新聞』2001年7月12日付(1-2頁のみ)。
  5. 『中南米経済論新聞』2001年6月21日付。
  6. K.U.「中南米経済論学びのプロセスチャート」(前期)2001年。
  7. 参画文化研究会複写式シールラベル

心の変化とこれからの自分

 「何の期待もせず,単に履修したこの中南米経済論だったが,その考えは第1回目の授業で打ち砕かれた。まず,スキンヘッドの先生。これで8割方,『何かが違う!?』とは感じたが授業形式が発表されて亜然だった。ゼミでもないのにディスカッション形式を取り,グループごとで発表をするとの事だった。先生のねらいは生徒参画型らしかったが,ただの専門科目が可能なのか?と始めは思っていた。しかし第2回,3回の授業に足を運ぶにつれて,一つのテーマに対して自分とはまったく違った案が出てくるディスカッションの面白さ。『こういう考え方もあるんだ』という驚きと発見。授業を終えるたびに新鮮な気持ちで帰っていることに気が付きました。そんな授業が何度か続いて,僕が思う一回目の変化が起こりました。大教室から小教室への移動です。これによってやる気のある人だけ来てくれればいい。という暗黙の了解がなされました。案の定20-25人程度でメンバーが固定しました。その時から,クラス全体の雰囲気がよくなったと思います。僕自身もその20-25人とグループを組んでディスカッションするうちに仲良くなり,自分の言いたいことはいえるという和やかな雰囲気になり,また『あの人は経済面にこだわっているな』とか『環境に常に意識しているな』など少しずつですが個性も見え始めてきました。そんな風に先生の投げかけたテーマについてディスカッションしているうちに,2回目の変化がおきました。グループ発表です。これによって僕たち自身で作り,僕たち自身で学ぶという理想の授業形式が始まりました。内容はどれも個性的で進め方もまるで違います。しかし,全てに共通しているのは,各グループの熱心さ,自分たちの発見をみんなで分かち合いたいと言う仲間意識,楽しく学ぼうとするユーモアです。それぞれ各班反省すべき点もありますが,この授業形式でしか学べないことをたくさん学んだと思います。みんなの前で発言したり,グループで集まって一つのものを仕上げるといった経験は少ないので,この授業は強い刺激となり,多くのことを学ばせてくれました。勉強の面白さをうまく引き出してくれる授業でした」(昨年度中南米経済論受講生Y.H.)。