中南米経済論 講義要項(1998年度)


■講義概要

 80年代,「失われた10年」と呼ばれる深刻な経済危機にあった中南米諸国は今日,ドラスティックな民営化・規制緩和が進められる中で,政府主導の経済運営から市場経済中心へと大きく変貌を遂げています。
 本講義では,輸入代替工業化,累積債務,民営化,国際化といったキーワードを手がかりにして,前期において今日の中南米諸国に共通の経済問題に至る戦後の経済発展過程を多角的に検討し,後期において産業(企業)視点からラテンアメリカ経済の実像を明らかにします。

■講義計画

(1)イントロダクション
 1 ラテンアメリカと日本
 2 ラテンアメリカのアウトライン
(2)ラテンアメリカの経済発展の諸相
 3 一次産品輸出経済
 4 輸入代替工業化
 5 累積債務
 6 所得分配
 7 都市と農村
 8 環境と開発
 9 地域経済統合
(3)ラテンアメリカの産業と企業
 10 産業組織
 11 政府系企業の民営化
 12 多国籍企業と技術移転
 13 ラテンアメリカ企業の国際化
(4)事例研究
 14 ブラジルにおける鉄鋼業
 15 ブラジルにおける自動車産業

■成績評価の方法

  1. 学年末試験
  2. 自主レポートの発表

■教科書

  • 小池洋一・西島章次(編)『ラテンアメリカの経済』新評論,1993年。
  • 田中祐二『新国際分業と自動車多国籍企業』新評論,1996年。
  • 堀坂浩太郎・細野昭雄・長銀総合研究所(編)『ラテンアメリカ企業論』日本評論社,1996年。
  • ■参考書

  • 遅野井茂雄(編)『冷戦後ラテンアメリカの再編成』アジア経済研究所,1993年。
  • 水野一・西沢利栄『ラテンアメリカの環境と開発』新評論,1994年。
  • 小池洋一・西沢利栄『アマゾン 生態と開発』(岩波新書)岩波書店,1992年。
  • 小池洋一『ブラジルの企業』アジア経済研究所,1991年。
  • 国本伊代(編)『ラテンアメリカ研究への招待』1997年。
  • 『ラテンアメリカを知る辞典』平凡社,1987年。


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