長谷川ゼミ(演習I)履修要項(98年度)


1 テーマ

生産のグローバル化と現地化―発展途上国と日本

2 演習内容

【題材】今日,生産のグローバル化と現地化がかつてなく進行している下で,多くの発展途上国の産業は発展を遂げる一方,日本は産業の空洞化と技術基盤の衰退に直面している。こうした現状を「モノ造り」の視点から考えてみたい。

【スケジュール】初回のゼミでは,これまでの学生生活を振り返り,「大学で学ぶとはどういうことか」について議論する。

 前期においては,図書館実習やコンピュータ実習を適時行いつつ,新聞記事などを使って討論を行い,ハンドアウト(レジュメ)の書き方,討論の方法を学びながら,各自の問題意識を醸成していく。

 後期においては,前期に培った問題意識の下に研究論文を個人あるいはグループで作成してもらう。ゼミで途中経過を各自数回報告し,論文作成上のさまざまな問題を広く出しあってより良い論文に仕上げていく。必要に応じて工場見学やヒアリングやゲスト・スピーカーを招いての討論も行う。

【こだわり】ゼミでは<学ぶということの意味>と<学ぶためのツール>にこだわりたい。今ほど「大学とは何か」「学びとは何か」が教職員と学生に問われている時代はない。私の意見を述べよう。大学は問題解決能力を高める空間,「学ぶ方法を学ぶ」空間である。そして「学び」とは佐伯胖氏が言うように「自分探しの旅」であり「文化的実践への参加」である。では「自分探しの旅」とは?「文化的実践への参加」とは?ゼミで大いに議論したい。

 「学び」を支えるツールの習得もゼミの目標である。学ぶためのツールにはいろいろあるが―実はゼミや大学も学ぶためのツールに他ならないが―,ゼミでは特に図書館とインターネットを重視し,これらを効率的に活用できるようになることをめざす。それにとどまらず,学ぶためのツールをより使いやすく変えていくことも試みたい。

【決意】今年度から開始されるゼミなので,ゼミのスタイルもゼミ生と創造していくつもりでいる。ゼミの時間だけが「学び」ではないし,学ぶ集団へとゼミを進化させるためにも,いろいろな行事を「遊び」を含めて企画していきたい。また,Web(ホームページ)を通じてゼミでの議論や活動をゼミ日誌として発信し,ゼミ生の交流に役立てるとともに,ゼミ外のさまざまな人々との交流といった実験的なとりくみにも果敢に挑戦したい。

3 教科書

『日本経済新聞』『日経産業新聞』など

4 参考書・推薦図書

5 応募者への要望

  1. 初回のゼミまでに上記『「学ぶ」ということの意味』『大学を学ぶ』を読んでの感想をワープロでA4版2ページ(2000字程度)にまとめ,初回時に持参すること。
  2. 初回のゼミまでに電子メールの送受信ができるようにしておくことが望ましいが,少なくとも初回のゼミまでに電子メールアドレスを取得(商学部事務室にインターネット利用に関する誓約書を提出)しておくこと。

6 申し込み条件

毎回出席でき,ゼミ運営及びゼミ行事に真剣にとりくむことができること。

7 履修すべき授業科目

特になし。

8 履修を希望する授業科目

国際関係論,アジア経済論,中南米経済論。


shin@ipcku.kansai-u.ac.jp
Updated: 14 Nov. 1997.