関西大学図書館蔵書検索システムについてのコメント


関西大学図書館では98年4月の正式運用に向けて図書館蔵書検索システムがテスト運用されています。この関西大学図書館蔵書検索システムを,学生をふくめた利用者からの意見を参考されより使いやすいものにしていくという図書館スタッフの皆さんの姿勢を支持し,利用者の意見を広く集めていく一助になればと思い,この件についての私のメールを順次私の研究室のホームページに掲載することにします。


第1信(1997.11.12送信分)

(1)「タイトル・著者・出版者から検索する場合」と「調べたいテーマから検索する場合」とで検索の出発点を2つに分割していますが,わざわざ分割する必要性をそれぞれ次のページ(/kul/simple/opac.html/ctx_test/test8_1.html)の構成を見るかぎり感じませんし,むしろ /kul/simple/opac.html/ctx_test/test8_1.html、 は統合した方がいいと考えます。NACSIS Webcat (http://webcat.nacsis.ac.jp/)のようにすぐに検索画面がでてきた方が,利用者にとってはシンプルでつかいやすいと思います。


(2)「タイトル・著者・出版者から検索する場合」「調べたいテーマから検索する場合」ページについて。不要な文字や専門用語があって,かえってごちゃごちゃした印象や難しい印象を与えるページになってしまっています。これらのページの役割は,できるだけ簡単に正確に迅速に検索のための入力を促すことですので,「どこに何をどのように」入力すればよいか一瞬でわかることが必要です。私の印象ですとこれらのページは説明過剰で「一瞬でわかる」ページにはなっていません。

 「検索するデータベースを指定してください。」 → 「検索対象:」

 「表示条件 - 一覧表示(所蔵情報」 → 「所蔵情報」

とした方がいいと考えます。



(3)「タイトル・著者・出版者から検索する場合」ページにおける入力順序について。利用者は,視線の移動を上から下へ行います(設計上もそう想定されていると思います)。しかし,この順序(検索データベース指定→表示条件→検索条件→検索語を入力)が,利用者が資料を探す時の情報の重要度順になっていません。利用者のほとんどは,まず最初に書名や著者名やキーワードをまず最初に思い浮かべて資料探索を行うのであって,最初に表示条件や検索条件を思い浮かべるのではありません。ですからそうした利用者(人間)の思考の流れに沿った形で順序づけるべきなのではないでしょうか。



(4)「タイトル・著者・出版者から検索する場合」ページ-検索語入力部について。これも(3)と同様ですが,入力欄の下にフィールド指定とAND/OR指定がくるレアウトは,分かりにくい(直感的に把握できない)と思います。また,検索条件で前方一致,中間一致,完全一致を選べと言われてもピンと来ない学生は多いと思います。その点では,MacOS7.6等で使用されている,「ファイル検索」画面のようなフィールドの並べ方と言葉づかいが最適だと思います。たとえば,検索条件指定も含めて:

 

とした方が直感的に把握しやすいのではないでしょうか(kul/simple/search.html)をちょっと編集するだけで可能でしょうし)。

#しかし検索結果をよくみると,<中間一致=含む>ではないみたいですね。だとしたら,<中間一致>よりも<含む>の方がいいと思います。


第2信(1997.11.17送信分)

(5)「検索結果一覧」において検索を実行すると「検索結果 *** 件、ヒットしました」と冒頭に表示されますが,これは別個に「検索結果一覧」と表示されているのですから,「*** 件あります」「*** 件該当します」程度の表現の方がわかりやすく簡潔でいいのではないでしょうか。


(6)「検索結果一覧」において次の50件を表示する「NEXT」ボタンと前の50件を表示する「BACK」ボタンの配置順序は,逆(「BACK」「NEXT」)にし,ボタンに表示される文字に矢印を加える(例:)と直感的に把握できると考えます。


(7)「検索結果一覧」における検索結果の表示の方法についてですが,長音(ー)を含んだタイトルは,例えば「経済セミナー」ではなく「経済セミナ-」と表示されます。コンピュータの内部で長音をハイフン(-)に代えて処理することにはなんら異論はないのですが,表示については,長音は長音のままで(正しい日本語表記で)表示するようにするべきだと考えます。ハイフン表示ですと「検索結果一覧」等から,手元のワープロ等に書誌的事項を取り込む際に,いちいち書き換えないといけませんし,レポート等をワープロで作成する際に長音とダーシ(―),ハイフン(-)を混同する学生が非常に多い現状からしても,検索システムによる表示にも正しい日本語表記が求められると考えます。


(8)「詳細情報」画面について。「所蔵情報」「書誌情報」というタイトルを表示する必要性はないと考えます。内容を見ればそれが所蔵についての情報か書誌的事項なのかはすぐにわかるからです。冒頭の「詳細情報」を「所蔵・書誌情報」にして,所蔵情報と書誌情報は罫線だけで区別する方がいいと考えます。


(9)「詳細情報」画面について。図書の場合の「所蔵情報」における「利用状況」の表示についてですが,これは利用できないときにのみ「貸出中」等表示されますが,利用できる状態にあるということを明示的に示したほうがいいと考えます(例えば「利用可」「閲覧可」)。


(10)「詳細情報」画面の「書誌情報」表示の最初に「書誌番号」がくるのは何か意味があるのでしょうか。この番号によって請求するわけでもない限り,最初に表示する意味はありませんし,表示する必要すらないかもしれません。


(11)「詳細情報」画面について。図書の場合の「所蔵情報」における所蔵巻号・発行年表示は,「1958-1968 22-152」となっている表示を,継続受入中を表示することも合わせて学術情報センターの所蔵表示のように「22-152 (1958-1968)+」としたほうが見やすいと思います。発行年と巻号は同じ数値で表現されていても意味内容は異なるのですから,それにふさわしくはっきりと区別して示す必要があると考えます。