長谷川ゼミ・2004年2-3月テクノセンター・インターンシップ

久田泰社長(久田香港有限公司)密着取材で得たこと「明るく楽しい会社」(2EM)

 私は将来父の会社を手伝いたいと考えています。今回の研修での目的は、実際の現場を見せていただき「経営者とはどうあるべきか、経営者に求められているものは何か」を学ぶことでした。そして久田社長に密着取材させていただきましたが、初めは「何を見て、何を学べばいいのか」わからず悩みました。
 久田香港有限公司は全体的に明るく元気で快く私を迎えてくれました。社長が元気なのは従業員が元気だからなのか、従業員が元気なのは社長が元気だからなのか、お互いに元気を分かち合い、支えあっているように思いました。社長は出社して「早上好」の次には仕事の話をするほど忙しかったのですが、忙しくても明るく元気に振舞っていました。そうしようとしているのではなく、自然とやっているところが素晴らしいと思いました。社長は上から物を言うような偉そうな態度ではなく、従業員を対等に扱っており、感謝の気持を言葉に表し、自分が間違っていれば謝り、社内会議中に従業員には「言いたいこと」を言わせ、考えを押し付けるようなことはしません。今はまだどの部門も問題が多く、従業員同士ぶつかることがあると、よく「お互いに協力してやっていこう」と言っていました。そこに社長としての威厳を感じました。
 社長から「上に立つ者は何でも率先してやっていかなければならない。久田は従業員皆がうるさいほど明るく元気だろう。こんな会社にしていくように。」とアドバイスもいただきました。
 また中国人スタッフとの交流を深めたいとの私の希望を社長が聞き入れてくれ、自社のスタッフ寮に宿泊をさせていただくことになりました。寝食を共にし、スタッフと共に7時45分に出社、20時まで残業をして久田香港有限公司の一員として迎えていただきました。そうした中でやはり言葉の問題がありました。思っていることが言えず、聞き取りもできないため、とても悔しい思いをしました。こちらに来てから中国語を学びたいとより強く思いました。
 初日のインタビュー取材時、社長が「中国に来て楽しく仕事をやっている。」とおっしゃっていましたが、10日間行動を共にさせていただくことで本当にそう思ってらっしゃるということがわかり、私自身こちらに来て中国のパワーを肌で感じ取ることができました。研修に参加させていただいた経験・社長からのアドバイスを今後の自分の将来につなげていき、「明るく元気な会社」を作っていきたいと思います。
 最後になりましたが社長には本当にお世話になり、本当に感謝の気持でいっぱいです。私が居るからといって気取るわけでもなく、ありのままの現場を見せてくれました。
 また今回の研修を受け入れてくださった石井次郎さん、川副哲さんをはじめ、斎藤愛子さん、テクノセンターのスタッフのみなさま、各テナント企業のスタッフのみなさまに心よりお礼申し上げます。


大きな一歩を踏み出す力をくれたテクノセンターでの研修(2SN)

(1)研修の目的と理由

 今回の研修の目的は「海外で研修する上で大切なこと」「中国の出稼ぎ労働者はどのような考えを持ち、どのような生活をしているのか」を知ることでした。理由は以前ブラジルから出稼ぎに日本に来ている人々と工場で働いたことがきっかけになり、ブラジルに興味を持ち2005年4月から1年間のブラジル研修に挑戦するためです。そしてさまざまな国の出稼ぎの人々について知りたいと思ったからです。

(2)たくさんのことを考え、学んだ研修期間

 テクノセンターで働いている方々やワーカーの皆さんは一人一人夢を持って働いていて、輝いて見えました。それを見てたくさんのことを学びました。そして私自身のこれからの将来へ向けて大きな1歩を踏み出せる力をくれました。

(3)ライン実習とワーカー寮宿泊で感じた気持ち

 宮川香港有限公司でのライン実習とワーカー寮宿泊をさせていだたいたことを通じて、私はいかに裕福な暮らしの中で甘えた生き方をしていたかを痛感しました。ワーカーの皆は決して裕福だとは言えない暮らしの中で、毎日一生懸命働き親に仕送りをしています。私には考えられない生活ですが彼女たちの目は輝いていていつも元気でした。それは石井さんもおっしゃっていた通り「中国という国が絶対よくなる」と信じて働いていることと、それぞれ将来の夢を持っているからだと思いました。中には日本語を一生懸命勉強している人もいました。1年勉強しただけなのにとても上手に話していました。ワーカーの皆は大半が勉強する時間がないと言っていました。しかし私たちには勉強する時間があるのにワーカーの皆に負けている気になり、恥ずかしくなりました。そして私も負けてられないという気になりました。

(4)海外研修をする上で大切なこと

 偉力工業で研修中の宮崎雅也さんに同行取材させていだたきました。同じ大学生である宮崎さんがしっかりとした意思を持ち働いていることに刺激を受けました。
 私は現場の管理を見えやすくするための表を作成させていただきました。この表の役割は現場で間違いが起こったときにすぐに何が原因か確認する必要があり、その上で原因となりうる材料や部品を目で見てすぐに確認できることです。この表を作ることにより、会社の生産管理改善に少しでも貢献できたと思うと嬉しく思うと同時に仕事に対する責任の重さを痛感しました。これからはどんな小さなことでも責任を持って行動していこうと思いました。
 実際に会社の中で研修させていただいたことにより、海外で研修する上で言葉がどれ程大切かわかりました。どの作業をとっても言葉が通じないと仕事にならずコミュニケーションがとれないと感じました。これがきっかけでブラジル研修へ向けてポルトガル語を学ぶ意欲がに沸きました。日本の文化を学ぶ大切さにも気づきました。海外で自国のことをわかっていないと海外の人々が日本に対して誤解を生むかもしれません。日本の代表として研修に行くというくらいの気持ちが大切だとわかりました。

(5)研修を通じて変化した考え

 研修全体を通じて学んだことは何事にも目的と理由を明確にして迷わずに実行してみるということです。今までの私は理由も目的も曖昧でした。ブラジル研修もポルトガル語はこれから役に立たないといわれ、不安になったときもありました。しかし、あまり役に立たないかもしれないけれど、どうしたらもっと役に立つのか考えようと思うようになりました。そして、人があまりやらないようなことでも私自身がやりたいと思ったことは自信を持ってやり抜こうと思いました。

(6)感謝の気持ち

 最後になりましたが研修を受け入れて下さった石井次郎さん、川副哲さんをはじめ、このような貴重な経験をさせていただいたテクノセンターの関係者のみなさまに心から感謝しています。ご迷惑をおかけしたと思いますが、私たちの研修のために貴重なお時間を割いていただき本当にありがとうございました。


私を変えたテクノセンター(2ST)

 私は将来中国でベーカリーを経営したいという夢があります。そのために何が必要なのかを学ぶために研修に望みました。そして私はこの研修で大きく2つのことを学びました。1つめは中国でベーカリーを経営するにあたって大切なこと、2つめは今後、自分はどうあるべきかです。

(1)中国でベーカリーを経営するにあたって大切なこと

 私は、以前テクノセンター周辺のパンはおいしくないということを聞き、また実際に食べてみて、ここで日本のようなベーカリーを経営すればビジネスとして成り立つと考えました。しかしそれは誤解でした。アンケート取材により、確かに日本人職員の方はおいしいパンが食べたいと思う人が多かったのですが、ワーカーたちは食べたいと思う人が少なかったのです。それは日本のようなパンの味を知らないからだと考えていましたが、ワーカーにとってパンは「油を多く使った中華料理よりも太るもの」というイメージがあるからでした。日本人とは意識の違いがあり、それを理解しないうちはビジネスなど成り立たないと感じました。
 また、テクノセンター副総経理の立石瀧雄さんに取材をさせて頂いたときに、「もっと自分の目で中国を見て確かめないといけない」と、立地戦略の大切さを教えてくださいました。
 もちろん言葉の壁も克服しないといけないと痛感しました。アンケート取材では文字として書いているにも関わらず、質問内容が伝わっていませんでした。日本人職員の方々が中国語で仕事をされているのをみると、私も自分の話す中国語で仕事がしたいと思い、学校での中国語の授業は終ってしまいましたが、さらに勉強をしようと意欲が沸きました。

(2)今後、自分はどうありたいか

 私は体育会の水泳部に所属し、主務という役職についています。研修に来る前、自分がしたいと思う勉強と、部活、主務の仕事などがすべて中途半端になっている気がして不安と焦りがありました。何かに絞らないといけないと思い込んでいました。しかし、ワーカーのみんなと生活を共にすることで徐々に気持ちが変わっていきました。ワーカーのみんなと一緒にラインに入り作業をしてみると、体育会で体力と忍耐力はついていると思っていたのに、本当につらくて、毎日続くと思うと耐えられないと感じましたが、ワーカーのみんなは「つらくない」と言うばかりか、学校にいきながらアルバイトをしている私に「頑張れ」と励ましてくれたのでした。その時、私は恵まれた環境で好きなことができているのに、それを忘れていたのだと思い、無性に恥ずかしくなりました。彼女たちがこんなに頑張っているのだから、わたしもまだ頑張れる、諦めたくないと思いました。
 また、石井さんにお話を伺ったときに、「いっぱいやることがあるから頑張って集中できるんだよ。1つに絞ると時間に余裕ができるから逆に集中できない。学生の間はがむしゃらにいきなさい。」と言ってくださり、ますます頑張りたいと思いました。この気持ちを日本に帰っても持続させ、水泳を諦めず、中国でベーカリー経営をするという夢に向けて精一杯貫きたいと思いました。

(3)感謝の気持ちでいっぱい

 最後になりましたが、今回の研修ではテクノセンター関係者のみなさまには大変お世話になりました。私たちのためにお仕事の時間を割いていただいて、ご迷惑をおかけしたにも関わらず、温かいお言葉までいただき心の支えとなりました。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。


Author: Shin Hasegawa
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