関西大学大学院外国語教育学研究科
『D 応用研究法2(量的研究法)』シラバス

I. 担当者

担当者 竹内 理、守崎誠一、水本 篤
所属関西大学大学院外国語教育学研究科・外国語学部
住所〒564-8680 吹田市山手町3-3-35 関西大学内
e-mailtakeuchi@kansai-u.ac.jp (責任担当者アドレス)
URLhttp://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~takeuchi/


II. 授業目的

この授業の目的は、量的アプローチの立場から、外国語教育学で利用される高度な研究手法への理解を深めていくことにある。具体的には、(1)各手法を含む論文を批判的に読みこなすこと、(2)研究計画を立案できること、及び各手法を用いて (3) データの分析ができること、の3つが主たる目的となる。加えて、(4)データの取り扱いや研究者の守るべきルールについても理解を深めていく。

授業は責任担当者(竹内理)のもと、竹内 理、守崎誠一、水本 篤の合計3名の専任教員がオムニバス形式で4-5 回の内容を担当していく。このため、各担当者の1回目の授業には必ず出席することが求められる。なお、リモートで授業を実施する回もあるので、事前にLMSを見て、実施形態を確認することを。

(注意)本授業は「応用」 (advanced) 編であるため、受講生は量的アプローチの基礎的な側面を十分に理解していることが強く求められる。特に前期課程の「外国語能力測定・評価論」、「基礎研究法」(量的アプローチを扱ったのもの)で学ぶ内容は所与のものとしているので、その点を理解して受講すること。なお、1回目の授業で量的アプローチへの理解度を測定するテストを行い、理解が一定のレベルに達していない場合は、前期課程の科目履修を強く勧める場合もあるので、了解の上で履修すること。

III. 到達目標

本授業では以下の4つを到達目標とする。なお、(2)、(3)に関しては、担当者の助言の下での実現でも構わない。

(1)各手法を含む論文が批判的に読めること。
(2)各手法を含む研究計画が立てられること。
(3)各手法を用いてデータが分析できること。
(4)研究者の守るべきルールについて理解すること。

IV. 授業形態

講義形式をとるが、教員が一方的に話すのでなく、受講生が考え、意見を述べる場面を多く設け、インターアクティブな授業になるよう心がける。受講生には、授業に積極的に参加すること、ならび教科書や参考文献を必要に応じて読むことが求められる。

V. 授業計画

月日
内容
04/11 理解度確認テスト・量的アプローチとは何か(竹内)
04/18 量的アプローチとは何か
04/25 ベイズ統計(1)基礎(竹内)
05/02 ベイズ統計(2)応用(竹内)
05/09 効果量と検定力分析(1)(水本)
05/16 効果量と検定力分析(2)(水本)
05/23 メタ分析(水本)
05/30 多変量解析(1)クラスタ分析(守崎)
06/06 多変量解析(2)ロジスティック回帰分析(守崎)
06/13 多変量解析(3)多項・順序ロジスティック回帰分析(守崎)
06/20 多変量解析(4)コレスポンデンス分析 (守崎)
06/27 共分散構造分析(SEM)(1)(水本)
07/04 共分散構造分析(SEM)(2)(水本)
07/11 共分散構造分析(SEM)(3)(水本)
07/18 データの取り扱いと研究者の守るべきルール(竹内)


VI. 教科書

竹内 理、水本 篤(編著)(2023).『外国語教育研究ハンドブックー研究法法のより良い理解のために(増補版) 』

教科書の対応章を事前に読んでおくことが望ましい。


VII. 参考文献

Brown, J. D. (2014). Mixed methods research for TESOL. Edinburgh University Press.

Dörnyei, Z. (2008). Research methods in applied linguistics. Oxford University Press.

Tabachnick, B.G, & Fidell, L.S. (Eds.).(2019). Using multivariate statistics (7th ed.) Peason.

参考文献は授業中に各担当者からも紹介される。

外国語教育学関連のジャーナル一覧


VIII. 成績評価

定期試験を行わず、以下の2つで評価する。

(1) レポート(60%):それぞれの教員から出された課題をレポートにして提出する。

(2) 教室内議論(40%):教室内での議論に積極的に参加する。

レポートの Due Date は7月25日(木)として、指定の方法で提出すること(デジタル提出)。

フォーマットはA4サイズで、それぞれのレポートを別ファイルとして、各々に表紙とAPA形式の参考文献一覧をつけて提出すること。


Released: 04/01/24
Revised: 04/01/24