直線上に配置
保険経営論
講義概要
講義概要

 バブル景気崩壊以降長期にわたり低迷していた日本経済もようやく回復の兆しが見えてきた。しかし明日の姿がますます見えない時代になり自己防衛の必要性は高まっている。これらが原因となり国民の生活観や価値観が変化してきた。これに伴い、ライフスタイルの多様な選択肢が存在する時代になってきた。

 また出生率低下、晩婚化、非婚化、医療技術の革新などに起因して、本格的な少子高齢化時代が幕開けすることになる。日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は現在21.5%だが、2050年には35.7%になると推計されており、先進国で高齢化の進んだ国のひとつになると言われている。連鎖反応として、若年層を中心に公的年金制度への不信・空洞化が社会保険庁の不祥事とあいまって顕在化してきており、国民年金への未加入者・未納者が約365万人に達し、制度の根幹を揺るがす危機的な事態になっている。長生きするリスクが早死にするリスクより大きくなってしまった。

 このような明日の姿が見えない時代であるからこそ、パーソナル・リスクマネジメントとライフプランニングの重要性は間違いなく高まっている。人生の三大転機(進学・就職・結婚)を通過し、ライフステージが進行・変化していくと、当然ながら肩に背負う責任の重さは違ってくる。

 このゼミナールではライフスタイルの多様な選択肢の中から、どのような選択を行い、今、自分が立っているステージの状況を把握し、そのステージにはどのようなリスク(病気、怪我、早死に、長生き、介護、失業、財産損害などなど)が存在しているのか、リスクに対処するにはどのような手段があるのかなどをさまざまな角度から考察、発表、討論してもらいたいと考えている。

 並行して文章読解力、文章作成能力を鍛錬するため、月に1冊以上のペースで本を読み、要約をまとめてもらいます。また日本経済新聞は必ず毎日購読してください。ゼミナールの主役はゼミ生であり、教員は脇役に過ぎない。教員からの一方的な情報の提供を求め、ゼミでの議論に参加できない学生、演習内容についてくることができない学生はご遠慮願う。

パーソナル・リスクマネジメントとライフプランニング