「マルチメディアと図書館」研究グループ

第32回研究例会報告


テーマ:「情報通信の現状と今後について」

発表者:北克一(大阪市立大学)

日時:1999年3月13日(土)15:00〜17:00

会場:大阪市立大学あべのメディックス


<はじめに>

ネットワークということばは場面によって多様なレベルで使用されるが、今回はそのうち情報インフラとしてのネットワークについて、必要に応じてアメリカと対比しながら日本の状況とその問題点を報告された。主として1998年9月頃までの状況がフォローされている。

ネットワークをめぐる状況には現在主として次の5つの動きが見られること、それらはすべてデジタルへの収束を意味することについて指摘された後、さらに詳しく論じられた。

  1. キャリアの水平連合と垂直連合
  2. 各国の通信をめぐる規制緩和
  3. ネットワーク技術の変容
  4. 電話通信からデータ通信へ
  5. 通信と放送の融合

<ネットワークとは>

はじめにネットワークの問題を「経済性」と「社会制度」の二つの側面からとらえ、これまでの基本的な考え方について以下の方向から説明された。

  1. ネットワークの経済性
  2. ネットワークの外部性と需要の相互依存性
  3. ネットワークの互換性、標準化
  4. 相互接続の制度側面
  5. インターネットとオープン化

<ユニバーサル・サービス>

ネットワークをめぐる状況変化の中で、ユニバーサル・サービスの概念自体が変化している点について、なぜそのような変化が生じてきたのかという分析を交えながら話された。

また、郵政省の報告書にもとづき、今後の選択肢として