後藤 幸希
睡眠ポリグラフ(PSG)検査において睡眠検査技師は,計測された呼吸運動の時系列(呼吸曲線)を視覚的に分析して無呼吸等の異常を記録する.本研究はこの解析作業の自動化を目的とし,呼吸曲線から異常を検出するデータ処理技術の開発に取り組む.先行研究では,変化点検出手法を用いて呼吸曲線を短い時区間(セグメント)に分割し,時系列クラスタリング手法を用いてセグメント集合から特徴的な呼吸運動パターンを抽出する技術が開発された.さらに,特定の呼吸運動パターンを検出したら異常な睡眠エポックと判定する異常検知手法の検討が行われ,特定パターンの有無だけでは十分な予測性能が得られず,各パターンの発生頻度を異常検知のための情報として用いることが課題とされた.本研究ではこの課題への取り組みとして,ロジスティック回帰による異常検出モデルを開発し,呼吸運動特徴の与え方によってモデルの性能がどれほど変化するかを検討する.