加齢により骨や関節,筋肉,神経などの運動器が衰えるロコモティブシンドローム(運動器症候群; ロコモ)は,歩行・移動機能の障害につながることで健康寿命を損ない,生活の質(Quality of Life; QOL)の深刻な低下を招きます.ロコモの進行を防ぐには,運動器に適切なストレスをかける運動を習慣的に行う必要があります.
「Harmonized Fitness プロジェクト」では,音楽運動療法をIT技術とAI技術でスマート化し,参加者が楽しく運動するシステムの実現を目指します.
音楽運動療法は音楽療法を運動プログラムに採り入れた運動療法で,参加者に運動のリズムを取りやすくしたり,体を動かしやすいと感じさせたりするために,音楽のメロディーやリズムを活用します.さらに,このような運動を仲間と行うことは,楽しさを生み,プログラムへの参加の継続性を高めることができると考えています.
身体運動データは高次元時系列ですが,部位間の連動性の情報を利用すれば低次元時系列に要約できます.
本研究では,要約系列での顕著な差異が身体の使い方の重要な違いを表していると考え,そのような違いを特定するためのデータ処理技術の開発に取り組んでいます.