このルーブリックの提供者: 山崎直樹
更新: 2016/10/16
問い合わせ先: 山崎直樹(関西大)ymzknk [於] kansai-u.ac.jp
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「与えられたテクストの内容を理解できたか」をチェックするための出力として翻訳を用いるという方法はよく使われます(この方法が不適切であることはもう説明するまでもないでしょう)。ここで意図しているのはそのような目的ではなく、ある言語を別の言語に置き換える際に直面する問題点を意識させるため、類義語のグループの中から文脈に最適な選択肢を選ぶ能力、適切なスタイル(文学的あるいは社会的スタイル)を選択する能力(入力となる原典のスタイルを判定する能力と出力となる言語のスタイルをコントロールする能力)、テクストを構成する能力(文の接続、照応表現、一貫性、結束性などを調整する能力)を訓練するための課題として翻訳を選びました。また、入力となる言語と出力となる言語の類似点と相違点への気づきなどへも注意を向けられたらよいと思っています。
どんな学習者か | 未定 |
どんな課題か | 与えられたテクストについて、「作品」として恥ずかしくない翻訳を作成する。 |
どのように評価したか | 翻訳した作品を提出させて、教師が評価する。 |
学習者にはいつ示したか | 作業に取りかかる前に示すことが必要。 |
目標以上を達成(4点) | 目標を達成(3点) | 目標達成まであと一歩(2点) | さらなる努力を要す(1点) | |
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情報の媒介 | 原文の持つ情報のみではなく、細かいニュアンスもきちんと伝えている。 | 原文の持つ情報をきちんと伝えている。 | 原文の持つ情報が少し伝わっていないところがある。 | 原文の持つ情報が伝わっていないところがいくつかある。 |
個々の文の表現の自然さ | 日本語として自然な文になっている上に、状況に合わせた訳語の選択がされている。 | 日本語として自然であり、訳語の選択にも工夫が見られる。 | 日本語としてどこか不自然なところがある。 | 日本語としておかしい。 |
テクストの構成技術(文と文のつなぎかた、視点の保持のしかた、指示語や照応表現の用法、省略のしかた……) | 日本語の習慣に則って工夫され、極めて自然で滑らかで感心させられる。 | 日本語の習慣に合っていて、自然である。 | 日本語の習慣に合わせようと工夫している。 | 日本語の習慣に合わせようという工夫が見られない。 |