山崎が2020年度に担当する「M外国語教授方法論2（中国語）」（大学院の授業）の概要です。
昨今よく話題に上る学習方法に「プロジェクト型学習」(PBL, Project-Based Learning)がある。この授業では、PBLの特徴とその長所を理解した上で、PBLの手法で外国語を学ぶ課程を設計する方法を学ぶ。別に誰もがこの方法で授業を行う必要はないのであるが、この設計の訓練を通して、学習項目をいかに豊かにするか、どのように各段階での評価を配置するか、どのようなパフォーマンスを行わせ、それをどのように評価するかなどの外国語の学習課程を設計する際の重要な事項について学ぶことができる。そして、同時に、それらの設計を学習者や同僚と共有するためのフレームワークも習得できる。
また、この授業では、応用篇として「『文化の学びかた』を学ぶ」というPBLの設計についても考え、CLIL（Content-Language Integrated Learning, 内容言語統合型学習）についても簡単に触れる。
なお、言語を教える教師になるために習得すべきさまざまな事項のうち、「社会の中での言語の役割、言語能力観、言語の習得過程、学習者の持つ要因」など基本的な事項については、この授業の担当者が同じく担当する外国語学部の専門科目「言語教育学（中国語）」で簡単に扱うので、教師を志すかたはそちらも併せて受講されたい。
実際に教師として教壇に立つために必要不可欠な実践的な知識・スキル・心構え等については、この授業の担当者が同じく担当する学部生用の科目「中国語科教育法1, 2, 3, 4」の４つの授業で個別かつ詳細に扱うので、現実に中国語を教える仕事を志望する者は、これらを併せて受講されたい。中国語科教育法1では中国語の音声のシステムと音声教育について学ぶ。中国語科教育法2では言語形式と場面の結びつきについて学び（「文法」もここで扱う）、言語形式を学習項目として自分で選択するいくつかの方法について学ぶ。中国語科教育法3では「ほんとうのコミュニケーションとは何か」を理解し「教室におけるコミュニカティブな言語活動の設計」について学ぶ。中国語科教育法4では「文化を観察する、文化の違いに気づく、異文化間の調整をする」という授業を実地に体験する。