石丸 航希
近年、プログラミング学習が大学教育に広く導入されており、多くの学生がプログラミングを通して論理的思考力や問題解決能力を養っている。プログラミング技能に関しては、正しいコードを記述する力だけではなく、プログラムの構造や意味を正確に理解して挙動を推論するプログラム読解(program comprehension)能力の重要性が指摘されている。しかし、プログラムをどのように理解し、どの箇所で理解につまずいているのか、といった学習者一人ひとりの理解の状況を把握することは容易ではない。この問題に対して、アイトラッキングを用いてプログラム読解過程を調査する研究が注目されている。注視点は学習者が注目している情報を反映する指標であり、プログラム読解過程を分析する重要な手がかりとなる。本研究では、難易度の異なるプログラム読解課題を遂行中の学習者の視線運動を計測し、プログラミング習熟度の観点から彼らの読解行動を比較した。比較においては、プログラム読解中の視線運動パターンに共通性があるかどうかを検討するために、Jensen-Shannon Divergence (JSD)を用いて固視時間空間分布の類似性を定量的に評価した。