片の富士コラム
(2024.1.15開設、2024.9.22更新)
Part1
メールはこちらへ:katagiri@kansai-u.ac.jp
同好の士は少ないですが、大相撲について語りたくて仕方がないので、新コーナーを創ることにしました。
<目次>
第41号 令和6年秋場所終了(2024.9.22)
第40号 よし!(2024.9.19)
第39号 大の里時代の始まり(2024.9.17)
第38号 大の里の優勝かな(2024.9.13)
第37号 箱推し(2024.9.11)
第36号 玉鷲!(2024.9.10)
第35号 行司昇格にも実力主義を(2024.9.8)【追記(2024.9.10)】【追記2(2024.9.11)】【追記3(2024.9.13)】
第34号 照ノ富士が優勝したけれど、、、(2024.7.28)
第33号 来場所の大関は2人。それも頼りない大関ばかり(2024.7.26)
第32号 好悪の感情は評価の目を曇らせますね(2024.7.24)
第31号 中盤戦終了(2024.7.23)
第30号 序盤戦終了(2024.7.18)
第29号 とりあえず良いスタートです(2024.7.15)
第28号 なんか遺言メッセージビデオみたいで嫌でした(2024.7.14)
第27号 白鵬が最後に土俵上で敗れた場所(2024.6.9)
第26号 最低の場所になってしまった(2024.5.18)
第25号 勝ち方を忘れた霧島(2024.5.15)
第24号 5月14日は相撲界にとっては大事な日(2024.5.14)
第23号 照ノ富士は引退したいはず、貴景勝は引退すべき(2024.5.13)
第22号 ワクワクしない夏場所(2024.5.12)
第21号 伊勢ケ浜部屋はよい力士が育つのは当然ですね(2024.3.24)
第20号 大変なことになってしまいました(2024.3.23)
第19号 霧島推しをやめます(2024.3.22)
第18号 今後1〜2年で勢力図が大きく変わりそう(2024.3.20)
第17号 尊富士、思った以上に強いなあ(2024.3.18)
第16号 霧島は休場した方がいい(2024.3.17)
第15号 今後の展望(2024.3.15)
第14号 王鵬が強くなったのか、照ノ富士の調子が悪いのか(2024.3.14)
第13号 すっかり自信を失ってしまった霧島(2024.3.13)
第12号 大の里が優勝争いに絡みそう(2024.3.11)
第11号 春場所が始まりましたね(2024.3.10)
第10号 照ノ富士、優勝!(2024.1.28)
第9号 やっぱり照ノ富士は強い(2024.1.26)
第8号 期待のシナリオ通りになりつつある(2024.1.24)
第7号 琴ノ若の実力勝ち(2024.1.23)
第6号 朝乃山休場(2024.1.22)
第5号 早く関脇以上と当てないと、大の里の新入幕優勝もありうる(2024.1.21)
第4号 宮城野親方(元・白鵬)の解説はよくわからない(2024.1.20)
第3号 霧島にはまだ横綱の強さはないですね(2024.1.17)
第2号 今日はなんとか勝ったけれど…(2024.1.16)
第1号 照ノ富士は持たなさそう(2024.1.15)
秋場所が終わりました。昨日の14日目で大の里の優勝が決まってしまい、千秋楽の楽しみはほとんどありませんでした。その上、大の里があっさり阿炎に敗れてなんだか締まりのない千秋楽になりました。霧島は12勝3敗で、今の体の状態が維持できるなら、11勝くらいは毎場所できるでしょうから、来年そう遅くないうちに大関に戻れるでしょう。しかし、大の里に勝てそうなイメージが湧かないので、大の里のライバルにはなれそうもないです。
千秋楽でむしろ興味深く見ていたのは、平幕以下の力士の取組でした。一つは王鵬と正代の取組。勝った方が来場所の三役をほぼ確定する相撲で、特に王鵬は新三役ですのでどうなるかなと見ていましたが、王鵬が勝ち、来場所の新小結を決めました。第38号にも書きましたが、王鵬は強くなりました。
若元春、若隆景の兄弟は、11勝と12勝と好成績でした。若元春も来場所は三役に戻ります。若隆景の方は前頭筆頭まででしょうが、力が戻っていますので、上位総当たりになる来場所は楽しみです。他には、最近急速に力をつけてきた美ノ海も初めて上位総当たりのところまで番付を上げてきます。十両が長かった力士ですが、入幕してからじわじわ幕内の相撲を覚えてきて確実に強くなっています。もともと相撲のうまい力士でしたが、立ち合いが鋭くなり、今の力なら幕内上位でもそれなりに活躍をするのではないかと思います。
あと来場所は、尊富士が再入幕できそうですので、これが楽しみです。怪我さえなければ、彼の力なら幕内下位でまた白星を重ね、終盤戦は上位との取組が組まれるということになるのではないかと思います。
今日の相撲であと面白かったのは、BSでやっていた幕下上位と十両下位の入れ替え戦のような取組でした。3番組まれましたが、すべて幕下力士が勝ちました。彼らは揃って来場所は十両に昇進するでしょう。その中には、琴手計という琴勝峰の弟もいました。ここにも兄弟関取が誕生するわけですが、この兄弟は大型ですが、大成はしないと思います。足が長すぎて、体の内部から湧いてくるパワーのようなものが足りません。来場所新十両で一番の期待の星は安青錦です。序の口から始めてわずか6場所で新十両を決めました。この間の成績は38勝4敗です。1場所で2敗したことがありません。関西大学との関係もあり、入門した時から注目していましたが、予想以上の出世の早さです。来場所が楽しみです。
もう1人幕下で注目している荒汐部屋の丹治は、東18枚目で3勝4敗でした。まだ十両に上がるだけの地力はついていないですね。後。同じ部屋の新十両・大青山も終盤4連敗して負け越してしまいました。まあ2人とも若いので、若元春、若隆景の兄弟子たちにじっくり鍛えられて強くなってほしいものです。
まあこんなところでしょうか。来場所以降は、新大関・大の里を誰が倒すかという場所が続きそうです。
無双かと思っていた大の里を若隆景が破りました。思わず拍手してしまいました。若隆景の足腰の良さがあっての勝利ですが、大の里自身も一昨日までの無双の取り口と違って、腰高で強引な取り口という先場所前半の悪い相撲に少し戻っています。やはり優勝、大関というのがちらついてきて、勝負を急ぐ気持ちになっているのかもしれません。左おっつけがこれまで割と効いていましたが、手のひらを上にする奇妙なおっつけなので、あんなので大丈夫なのかなと思っていましたが、今日の若隆景戦ではそのおっつけがやはり十分効きませんでした。
明日の琴桜、明後日の豊昇龍までは決まりでしょう。千秋楽は14日目まで高安が勝ち続けていれば、間違いなく高安でしょう。高安には勝ち続けてほしいものです。ただ、高安も明日は大栄翔ですが、14日目は、霧島あたりと当てられるでしょうから、勝ち抜くのもなかなか大変です。
琴桜、豊昇龍のどちらか、あるいは両力士が大の里を破ってくれるとおおいに面白くなるのですが、、、
10日目の今日、全勝の大の里と1敗の霧島の一番がありましたが、大の里の圧勝でした。土俵に上がる前から、9:1くらいで大の里が有利だろうなとは思っていました。勝ち目があるとしたら、後で非難されても、霧島は立ち合いの変化で大の里の圧力をかわすことくらいしかないかなと思っていたのですが、実際、霧島は立ち合い左に変化し上手を取る作戦を取りました。しかし、すぐに上手が取れず、大の里に右を差し込まれてしまい、左はおっつけられてあっという間に土俵外でした。鋭い出足の大の里ですが、頭は下げ過ぎずに足から出て行っているので、変化されても大きく態勢を崩さず、対応できます。先場所までの大の里は、もう少し腰高で、左手の使い方が甘く、右差しにこだわりすぎるなどの弱点がありましたが、今場所の大の里はそれらの弱点を克服して一段階さらに強い力士になっています。もろ手突きから突っ張って勝負を決めたり、左からのおっつけで相手を起こしたり、もはや無双状態です。今後対戦する相手も五分に戦える力士はいないように思います。琴桜は、体格は負けませんが、パワーとスピードが全然劣っています。豊昇龍は土俵上では大の里にこれまで3連勝していますが、これまでの勝負はほぼ土俵際で投げ飛ばして勝っていましたが、今場所の大の里は腰が下りているので、もうあの投げは喰わないと思います。一番可能性がありそうなのは、パワーで負けない高安くらいでしょうか。しかし、幕尻の方にいるので、もう少し勝ち進まないと取組は組まれません。あと、宇良のトリッキーな動きは効果的かもしれません。明日は琴勝峰なんかとやらせず、宇良との一番を組んでほしかったです。明日を除くと残り4日。両大関との対戦はもちろん組まれると思いますが、残り2日は高安と宇良で組んでみてほしいです。
しかし、いずれにしろ今場所の大の里の優勝、大関昇格はほぼ間違いなく、後々今場所から「大の里時代」が始まったと言われることになりそうです。来場所から大関、そして来年前半には横綱になるのはほぼ間違いないでしょう。怪我もしにくそうな取り口なので、間違いなくこのコースを歩むことになるでしょう。誰がライバルになるのか、今の上位陣では期待薄です。照ノ富士は、大の里が横綱になったら引退するでしょう。十両の尊富士(でも、彼はまた怪我しそうで心配です)、そして幕下の安青錦あたりに期待してみましょうか。
6日目まで終わりましたが、大の里が圧倒的に強いですね。立ち合いが先場所より一段と鋭くなっています。あの体格であのスピードがあれば、彼に勝つのはなかなか至難の業でしょう。特に今日のように、右差しにこだわらず、突っ張っていくような相撲まで取られたら、付け入る隙がないです。大関取りの場所ですが、もう今の力は横綱級です。可愛くないタイプの力士であまり応援したい気分にならないのですが、今場所の大の里優勝確率はかなり高い気がします。
追うのは、琴桜と霧島でしょうが、2人とも大の里ほどの強さはないですね。霧島はだいぶ復調しましたが、押されると引いてしまうという悪癖が、この数場所の間に身についてしまっているので、出足が鋭い力士相手にはまだ何番か負けそうです。昨日の平戸海あたりを押し返せないようでは、大の里を止めるのは難しいです。今場所出場者の中で番付最上位の琴桜の方が可能性はあります。だいぶ強くなってきていますが、昨日の王鵬にあんな形で負けるというのは、まだ力が飛びぬけているわけではないと思わざるをえません。3日目の翔猿戦も実際は土俵際で先に落ちて負けていましたし、これからもああいう形で星を落とすこともありそうです。
最近力をつけてきたなと思うのは、王鵬です。昨日、今日と大関を連覇したのも偶然ではなく、実力がついてきた証拠です。1〜2年前までは、左か右の使い方が悪く、北の富士さんがいつも「王鵬は片手しか使えてないからダメなんだ」と言っていましたが、今の王鵬はもともとどっちの手だけ使っていたかを思い出せないくらい、両手をしっかり使えていますので、押す圧力が格段に強くなっています。このままで行けば、そう遠くないうちに三役にあがるでしょう。
平戸海も力をつけています。先場所の新小結での10勝がまぐれではなかったことを証明するような鋭い動きを今場所も見せています。今場所2桁勝利をしたら来場所は大関取りだという人もいますが、私はまだそこまでの実力はないと思います。確かにいい力士ですが、このまま勢いでもしも大関になったとしたら苦労することになると思います。立ち合いを受け止められどっしり構えられたら、あの体ではまだ勝負になりません。このまま一気に大関になることはないだろうと思います。
あと9日。大の里を誰が倒すかということが一番の注目になりそうです。
「箱推し」なんて言葉を初めて使ってみましたが、最近、荒汐部屋にいい力士が多いなと気になっています。昨日紹介した大青山もその1人ですが、前から期待している丹治も荒汐部屋です。そして部屋の幕内力士には、若元春、若隆景がいます。昨日、大青山が「優しくて強い相撲取りになりたい」という発言をした際に、「うちの部屋の関取がそうなんで」とも言っていて、なんかいい雰囲気の部屋なんだなと思いました。この1年ほど、相撲部屋でのいじめ的な事件が頻繁に起きていて、相撲部屋なんてどこもかしこも似たようなものなのかもしれないと、私ですら思いたくなってしまっていましたが、荒汐部屋は違うのではないかという期待を持ちたくなっています。
そもそも荒汐部屋なんて、長い私の相撲観戦史の中でも、最近までほとんど名前も知らない部屋でした。調べてみると、大正時代から戦前にかけては部屋として運営されていたようですが、2002年に7代荒汐親方となっていた元小結・大豊が復活させるまで半世紀以上荒汐部屋はありませんでした。大豊という力士もどんな力士だったか私がまったく思い出せないくらいですから、当初は新弟子集めに苦労をして部屋存続も危ぶまれたそうです。しかし、その後、女将がウェブサイトに部屋の飾らない日常を載せることで、それを見て荒汐部屋に入門したいという力士が出てくるようになったそうです。そして、2010年1月場所において、現在荒汐親方となっている蒼国来が十両に上がり、部屋創設7年半で初めて関取が生まれたそうです。
ここから順調だったかというとそうもいかず、2011年に発覚した八百長問題で、蒼国来も関与していたと疑われ解雇処分を受けてしまいます。しかし、蒼国来は「自分は一切関与していない」と地位保全を求めて裁判を起こし、2年後に解雇は不当という判決を得て幕内力士として復帰します。その間、7代荒汐は蒼国来を信じ支えてきたわけです。こういう部屋だから、よい力士が育つのでしょうね。蒼国来の後、若隆景、若元春、荒篤山、そして大青山と4人も関取が生まれています。小結に1度上がっただけで、幕内上位で勝ち越したこともない力士が創設した部屋としては立派なものです。
今親方になっている元蒼国来の8代荒汐も、苦労しただけによい親方になっている気がします。解説を聞いていると穏やかなよい親方なんだろうなと思います。部屋の場所もいいのかもしれませんが、場所前に荒汐部屋にいろいろな力士が出稽古に行って何番も取ったという話がよく紹介されています。親方をはじめとする部屋の雰囲気が良くないと、こんなに他の部屋から力士は来ないでしょう。若元春も誠実な相撲を取り続けていますし、若隆景も復活してきました。新十両の大青山も大器の片鱗をのぞかせていますし、幕下18枚目まで上がってきている18歳の丹治もいます。しばらく、私は荒汐部屋の箱推しで行こうと思っている今日この頃です。
今日の相で、玉鷲が初土俵から1631回連続出場という新記録を達成しました。19歳で初めて相撲界に入ってから20年、39歳の現在まで1度も休場をしていないというのは本当にすごいです。それも怪我をしやすい突き押し相撲を取り続け、最近11年間はずっと幕内におり、幕内最高優勝を2回もしているのですからたいしたものです。でもそれ以上に、玉鷲を応援したくなるのは、ケレン味のない相撲とインタビューの際の感じの良さです。決して立ち合いから逃げたりはせず、綺麗な突き押し相撲で攻めていきます。そしてインタビューはいつも明るくさわやかです。今日のTV放送で、新十両の大青山という力士が、どんな力士になりたいかと聞かれた際に「優しくて力強い相撲取りになりたい」と笑顔で言っていましたが、玉鷲って、まさにそういう力士ですよね。この大青山という力士もインタビューを見ていてファンになりました。玉鷲も大青山も頑張ってほしいです。
秋場所が始まりましたが、今場所の展開がどうなるかは、まだ初日ではさっぱりわかりませんので、今日は行司について語ります。今場所から木村容堂が式守伊之助になり、久しぶりに立行司が2人揃いました。本来は、木村庄之助と式守伊之助の2人がいるのが基本で、退職したら順繰りに昇格するはずなのですが、今年の初場所から木村庄之助になり、今場所で引退する現在の庄之助が実力不足のまま式守伊之助になってしまい、本来なら木村庄之助になれるような力量ではないため、9年も庄之助が空位になっていました。最後の温情で9か月間だけ木村庄之助を務めさせてもらい、その間に三役格行司の力量を見極めて、ようやく新・式守伊之助が誕生したわけです。改めて、現在の2人の立行司の振る舞い、声など比べてみると、今の木村庄之助があまりにもふがいない行司であることが誰の目にも明らかです。行司差し違えも多い人ですが、声もまったく出てないし、立ち会いの際の身のこなしなども重すぎます。病気をしたこともあるそうですが、もっと早く辞めていてくれたら、こんなに長く立行司が2人揃わないという状況にはならなかっただろうなと思います。
行司の昇格は基本的に入門順だそうで、能力や実力が評価されて、後輩が先輩を抜くということはないそうです。結果として、実力のない人が立行司になってしまうということも起きたようです。あまり極端な実力主義は行司の世界には合わないでしょうが、行司さし違いの数、取組中の判断、声、振る舞い、身のこなし等を総合的に判断し、数年程度の入門差なら、実力のある後輩行司が先輩行司を抜くということがあってもいいのではないでしょうか。まあでも、とりあえず今場所は、動きにキレがなく声の出ない庄之助と、動きにキレがあり声もよく出る伊之助との違いを意識しながら見ていきたいと思います。
【追記(2024.9.10)】3日目の木村庄之助がさばいた結びの琴桜と翔猿の一番は琴桜に軍配が上がり物言いもつきませんでしたが、完全に差し違いです。翔猿の足は残っており、琴桜の体が落ちるのが完全に早かったです。やっぱり、だめ行司です。物言いをつけなかった審判団もだめだめです。正面審判長は、元千代大海の九重親方で、翔猿の体が飛んでいたと言っているみたいですが、あれは完全に残っています。罰金ものです。
【追記2(2024.9.11)】毎日書くのもちょっと可哀想ですが、今日の結びの一番も木村庄之助はダメでした。豊昇龍の手が土俵の砂を掃いたのを確認できず、豊昇龍が土俵を割ってから、おそるおそる翔猿に軍配を挙げていました。見えてないです。太り過ぎていて、腰が落とせないので、後ろからでは低い位置の確認がよくできないようです。この人が行司さんたちの頂点にいるというのは実に残念です。まあ、今場所限りですが。
【追記3‘2024.9.13】】今日の結びの一番も庄之助のダメぶりがまた出てしまいました。負けた豊昇龍がちゃんと礼をせず土俵を降りてしまったのを、ただ困ったという顔をして見ているだけでした。九重審判長が戻るように指示を出し、呼び出しが豊昇龍を土俵に戻しましたが、そこでもちゃんと王鵬と目を合わせずまた土俵を降りてしまい、九重が再び注意してやり直させましたが、庄之助は自分では何もし切れていませんでした。もうちょっと堂々とやってくれないかなとあまりに残念です。
第34号 ノ富士が優勝したけれど、、、(2024.7.28)
照ノ富士が予想通り優勝しましたが、やや意外な優勝になりました。まさか終盤戦で3敗もして決定戦になるとは思いもしませんでした。やはり少し力は落ちていますね。他方、隆の勝はよくやりました。3年前には関脇を4場所連続で勤めていた力士ですから、もともと実力はありました。怪我があったのか、馬力がなくなっていましたが、今場所は完全に戻っていました。ただし、基本が押し相撲なので、波に乗った時は強いですが、その波がずっと続くかどうかはわかりません。
貴景勝はいつもぎりぎりでカド番を抜け出していたので、なんかすきりしない、一度落ちた方がいいと思っていましたが、大関転落が決まってからの貴景勝はなんか可哀そうに見えてきました。もともと大型力士ではないので、頑張っている方なんだと思ってあげなければいけないという気になりました。でも、もう大関に戻る力はないと思いますが。
大の里は9勝止まりでした。でも、来場所12勝以上あげたら大関にするのではないかと思います。まだまだ未完成の力士ですが、馬力があるので、それだけでもある程度勝ててしまいます。
とりあえず、これで名古屋場所は終了です。
第33号 来場所の大関は2人。それも頼りない大関ばかり(2024.7.26)
今日の相撲で霧島と貴景勝が負け、来場所の大関は琴桜と豊昇龍の2人になることが決定しました。もしもこの後大の里が2連勝して10勝に乗せても、今場所の内容では今場所後の大関昇進はないでしょう。ただ、10勝しておけば、来場所はいよいよ本格的な大関取りの場所になります。まだまだ粗い相撲ですが、あのパワーと体格だと二桁は勝てるでしょうから、来場所後には大関になるでしょう。琴桜も豊昇龍もまだ横綱を狙えるような力は持っていないので、結局大の里に期待するしかないということになりそうです。
琴桜は体格は良く、体も柔らかく受け身には強いですが、自分から前に出るパワーをもっと身に着けないと上には行けません。足も長いので、さらに腰を落とすことを意識しないと、昨日の豊昇龍戦のように土俵際での投げも喰らってしまいます。豊昇龍はまずもっと体重を増やすこと、そして彼も前みつを取って一気に走るような相撲を身に着けないと大関どまりです。どの力士とやってもほとんど押し込まれ逆転勝ちというような相撲では上はないですし、あんな相撲ばかり取っていたら、いずれ大怪我をします。
貴景勝が来場所10勝以上して大関に戻る可能性は低いとは思いますが、ないわけではないです。それなりに力はありますので。でも、やっぱり難しい気がします。霧島は特例での大関復帰がならなかったので、もう一度三役3場所33勝以上の成績が必要となってしまいました。どうですかね。大関になる前より、相撲が下手になり自信も失い、前に出るパワーのある力士がめちゃくちゃ苦手になっていますから、厳しいのではないでしょうか。霧島もあと10sは増やして、前に出るパワーのある力士相手でも押されないようにならないと大関復帰は難しそうです。
体格がよくても運動神経が悪く不器用な力士もやはり大成はしないですね。湘南の海や錦木を見ているとしみじみ思います。彼らが突進力と動きの良さを身に着けたら絶対強くなるのにと思うのですが、その辺も才能なんでしょうね。錦木は昨年あたりに一瞬ものすごく突進力が出た時期があり大化けしたかと思いましたが、本人がなんで勝てるのかわからないというくらいでしたから、会得できていなかったんでしょうね。今場所は幕内下位で負け越しです。湘南の海も体格だけ見ていたらものすごく期待したくなるのですが、前に出る力が身についていないし、運動神経もそこまでよくなさそうなので、良くて三役に1回上がれるくらいの力士で終わりそうです。
結局残念ですが、今の幕内力士では、大の里しか確実に上に行けそうな力士がいないですね。十両を見ても尊富士の足が治らなければ誰もいない感じです。デビューからしばらく大きな期待をされた伯桜鵬は、怪我と宮城野部屋のごたごたで、すっかり相撲がおかしくなってしまいました。幕下あたりから伸びてくる力士を待つしかないかもしれません。
第32号 好悪の感情は評価の目を曇らせますね(2024.7.24)
大の里が照ノ富士を破りました。右差しにこだわる力士が右差しを自分から抜いての突き落としは効果的でした。右から攻めてくるだろうと予想していた照ノ富士は左上手から攻めようとしていたところに、左からの突き落としですから効きました。大の里はいったん壁にぶつかった方がいいと思っているので、昨日予想した段階で、大の里が勝つイメージを作りませんでした。冷静に見れば、体格で負けておらずパワーもある大の里が勝つ可能性も十分考えられたはずです。好悪の感情が出過ぎると、評価の目は曇ります。もうちょっと冷静に見ないといけないですね。
しかし、唯一2敗で追っていた琴桜が霧島に負けたので、結局2差は変わらずで、照ノ富士の圧倒的に優位な立場は変わりません。霧島は琴桜には相性がいいです。琴桜はパワーはありますが、自分からグイグイ前に出てくるタイプではないので、霧島は自分の形を作れます。どの力士にも今日のような相撲を取れれば、また強くなれるのですが、押されるとまともに引いてしまう悪癖がついてしまっているので、そこを意識して直さないと厳しいです。いなすのは良いのですが、引くのはだめです。本人もわかっているとは思うのですが、先々場所の負け過ぎから自信を失ってしまったことが原因です。もう一度自信を取り戻してほしいものです。今場所後に大関に戻れなかったら、四股名を霧馬山に戻して心機一転したらどうでしょうか?
10日目まで終わりました。どうやら照ノ富士は千秋楽まで持ちそうですね。となると、優勝は間違いないでしょうね。これから対戦が予定される関脇以上で照ノ富士を破れそうな力士はいないのではないでしょうか。6日目の翔猿や7日目の宇良が動き回ってもしかしたら照ノ富士がついていけなくなったり、その相撲は勝っても足腰に負担がかかり、その後の相撲が崩れるのではと心配していましたが、今場所は大丈夫そうですね。千秋楽まで出られるなら、照ノ富士に勝てる力士はいません。10回目の優勝は確実です。
明日の照ノ富士の相手の大の里は、今日で5勝5敗。明日負ければ、6敗目となります。パワーだけでは勝てないということを知ってもらうために一度くらい負け越した方が彼のためです。なんか今も負けるたびに、なんで俺が負けるんだ?と納得いかない顔をしているのが気になります。謙虚さを感じられない力士です。ぜひ一度負け越してほしい。
貴景勝は今日で6敗目。あと、照ノ富士や琴桜、豊昇龍、大の里などとの対戦を残していますので、常識的に言ったら負け越すはずです。霧島も今日で5敗目。もうあと1敗でもしたら、1場所で大関には戻れません。実質的にこれも無理ですね。来場所は、琴桜と豊昇龍の2大関になりそうです。
幕下ですが、私が密に将来性を買っている丹治が5連勝です。あと2勝してくれないかなと楽しみにしています。安青錦も4勝1敗で好調です。大分先物買いですが、この辺の成長を楽しみにしたいと思います。
最後に、土俵上のことではないですが、西の花道の同じ席に毎日のように芸能人が座っているのが話題になっています。紺野美沙子、大村崑、今日も綺麗な女性が座っていましたね。一体あの席は誰が持っている席なのでしょうか?相撲協会の招待席なのかなと疑わしく思います。しかし、あの席、力士が倒れこんでいくような位置なので危ないですよね。昨日の大村崑には正代がぶつかっていましたし、一昨日の紺野美沙子にも翔猿がぶつかりそうになっていました。大丈夫なのかな?
5日目まで済みましたね。今のところ、照ノ富士の圧倒的強さが目立ちます。このまま故障せずに千秋楽まで勤められるなら、間違いなく照ノ富士の優勝ですが、だんだん疲れも溜まってきますし、またどこかで膝や腰を痛めてしまうのではないかという心配も消えません。照ノ富士が故障したら、今場所はどうなるかまだ全然わかりません。1敗力士が三役陣にはいませんし、実力は似たり寄ったりですから、誰が抜け出すかわかりません。
下位では、若隆景がいい相撲を取っていますが、彼も膝に爆弾を抱えていますからね。星を上げて幕内上位と当てられたら、立ち合い負けして押されると、また膝が、ということも起こるかもしれません。3連勝で良いスタートを切ったと思った朝乃山も4日目の相撲で大怪我をしてしまいました。あの状態だと最低でも3場所、あるいはもっと休場することになりそうです。もう一度三段目あたりまで落ちるのではないでしょうか。もう完全復活はないですね。コロナの時にちょっとお店に行ったからといって、6場所出場停止はきつ過ぎました。再び元の地位に戻ろうという焦りが相撲に強引さを生み、怪我をしやすい体になってしまいました。高安も実力しゃですが、頻繁に怪我をしますから、彼ももう無理ですね。
結局、今日霧島を圧倒した馬力だけはある大の里がまたそこそこ勝ち始めるのかもしれません。霧島は3連勝で一瞬期待させましたが、大栄翔にも大の里にもパワー負けです。今場所後の大関復帰も微妙、というか大分可能性は低くなってきた感じです。個人的には、十両時代からいつか大化けするのではと期待している湘南の海が1敗なのでちょっと期待したいのですが、まだまだ不器用な相撲なので、上位力士と当てられたら勝てないでしょうね。いい体はしているのですが。
まだ2日目ですが、とりあえず好ましい感じで名古屋場所が始まりました。照ノ富士が初日は苦労したものの今日は一気の出足で苦手の明生を破り、大関陣も初日は全員負けたものの、今日は全員勝ちました。そして、大関復帰をかける霧島や幕内下位に落ちた朝乃山は2連勝です。霧島は明日の豪ノ山もうまくさばければ、大関復帰の可能性は高まります。今日のように、立ち合いから前まわしを取る相撲を覚えたら、大関復帰はもちろん、その上も視野に入ってきます。朝乃山は相撲が粗いし膝のテーピングも気になるので、このまま走るというわけにはいかないだろうなと思います。さて、何よりもこの2日間の名古屋場所で私がおおいに納得が行っているのが、大の里の連敗です。まだ彼は一気に上の地位に行くべき力士ではありません。心技体のうち、できているのは体だけです。一度くらい負け越して、気持ちを作り直し、相撲の技術ももっとあげるべきです。今の彼の相撲は抜群の体格を生かして立ち合いから一気に持っていく単純すぎる相撲です。今日の若元春のように土俵際でこらえれば逆襲できます。腰高のまま攻めますので、土俵際の逆転や下からふところに入られるということも起きやすいです。大きな将来性を持った逸材だとは思いますが、このまま大関・横綱になったら天狗になってしまいます。ぜひ一度負け越しを経験させたいものです。
第28号 なんか遺言メッセージビデオみたいで嫌でした(2024.7.14)
名古屋場所が始まりました。大関3人と大の里を含む関脇2人が負けましたが、まだ1日では見通しは立ちません。それより、今日のNHKの放送で気になったのは、北の富士さんのビデオ・メッセージです。かなり痩せて元気のなくなった北の富士さんが、今場所の期待をちょっとだけ語っていましたが、なんか遺言メッセージみたいで見たくありませんでした。たぶん、病院のどこかで撮影したのではないかと思いますが、寂しかったです。北の富士解説のファンはたくさんいるので、NHKが無理して話してもらったのでしょうが、見るのが辛かったです。
第27号 白鵬が最後に土俵上で敗れた場所(2024.6.9)
場所中ではないですが、ちょっと書きたいことがあったので、ここに書きます。大の里が優勝し、大相撲界の世代交代を誰もが感じている今日この頃ですが、これまでの世代交代は大横綱が新進気鋭の力士に敗れ、後を託す力士が現れたという思いでやめるパターンがかなりあり、有名なところでは、大鵬が貴ノ花に敗れ引退を決めたことや、千代の富士が貴花田に敗れ――もう1日相撲を取っていますが――引退を決めたことなどがしばしば取り上げられます。そこで、ふと思ったのは白鵬はどうだっただろうということです。最後に誰に負けて引退を決めたのかまったく記憶がないので調べてみました。
白鵬は2021年の秋場所(9月)を全休してその後引退を発表しました。その前の名古屋場所(7月)は全勝優勝をしているので、誰にも負けていません。その前の夏場所(5月)も全休、さらに春場所(3月)は2連勝した後休場しており、ここでも土俵上では負けていません。その前3場所は全休でしたので、なんと土俵上で負けたのは2020年7月場所まで戻ることになります。この場所の12日目に御嶽海に突き落としで敗れたのが、現役時代の白鵬が最後に土俵上で敗れた日でした。そこから休みがあったとはいえ、1年以上誰にも土俵上で負けないまま引退したわけです。これでは、白鵬に最後に勝った力士が誰かを覚えていなくても当たり前ですね。
この事実を確認するために、新聞記事検索をしていたのですが、この場所が実に異様な場所だったことに改めて気づきました。まず7月場所は、通常名古屋で第2日曜日に初日が始まり、第4日曜日に千秋楽を迎えるものですが、この年は新型コロナの影響で5月場所が開催中止になったあと、4か月ぶりに開催されることになり、場所は東京両国の国技館で、初日がなんと7月19日の第3日曜日で千秋楽は8月2日という超変則的な場所でした。観客は4人座れるマス席に1人だけなら可とするという密を避けた場所でした。
相撲自体は本当ならもっと盛り上がってよい場所で、3月場所後に新大関昇進を決めた朝乃山が大関デビューで12勝3敗の好成績を納めたのですが、優勝は2年半ぶりに幕内に復帰した照ノ富士で13勝2敗でした。この場所、照ノ富士と白鵬は対戦していませんでしたが、この後照ノ富士が順調に大関、横綱に駆け上がった段階で白鵬は引退を決めます。その意味では、照ノ富士こそ白鵬に後を託された力士だったと言ってよいでしょう。ちなみに、白鵬が最後の全勝優勝をした2021年7月場所の千秋楽の相手が同じ14戦全勝同士だった照ノ富士で、ここで照ノ富士が勝っていれば、綺麗な世代交代だったのですが、白鵬は勝ってしまったんですよね。さすが45回も優勝するだけあって、最後の最後まで強い横綱でした。ただし、今その取組みを見ると、白鵬の相撲は荒っぽすぎて印象は悪いですが。まあでも、これが彼の土俵上最後の相撲だったわけです。
霧島が休場して大関陥落が決まりました。まあ今の状態なら出続けても負け越しは確実だったので、むしろ今場所は捨てて体と気持ちを戻して来場所にかけた方がいいと思います。しかし、若元春まで休場になったのはショックでした。照ノ富士、貴景勝、霧島、若元春、朝乃山、高安、尊富士と、これだけ人気力士が休んだら、観戦代も割安にしてもらわないと、と思ってしまうほどです。ひどい場所になりました。まあこんな場所でも誰かは優勝するわけですが、今場所の優勝は価値が低い感じです。
霧島は勝ち方を忘れてしまったとしか思えません。バランスを崩して土俵際で後ろ向きになっている大翔鵬に止めを刺す攻撃をせず見ているだけとは、、、そして何よりもあんなに引き技ばかりしていたら、勝てる勝負も全部負けに行っているようなものです。こんなに引き技を多用する力士ではなかったはずなのに、どうなってしまったのでしょうか。相撲では「引くな、前に出ろ」と常に言われるものです。霧島も霧馬山時代はそんなに大きな体ではないのに、前に出る相撲をしっかり取っていました。先場所からの霧島はとにかくすぐに引き技を出し、そのまま付け込まれて負けるということが続いています。頭では引いてはいけないと思っていても、体がそんな風に反応してしまっているのかもしれません。この癖が乗らなければ、今場所の大関陥落はもちろん、その後大関に復活することも叶わなくなりそうです。先場所負けが込んでいた時に休めばよかったのに、そのままで続けて悪い癖を身に着けてしまった感じがします。先場所出場し続けたのはやはり間違いでした。
今場所から、元横綱・鶴竜が親方を務める音羽山部屋に移籍しましたが、音羽山親方はこの霧島の悪しき状態をちゃんと直せなければ名指導者にはなれません。解説はうまい音羽山親方ですが、相撲自体は自分自身も型のない融通無碍な相撲で引き技もしばしば使っていましたので、霧島に「絶対引くな」という指導をしてない気がしますが、今の霧島には引き技は厳禁すべきです。その指導ができなければ、霧島はもうこのままダメになってしまいます。明日以降引き技を一切封印するなら勝ち越しの可能性も出てきますが、今日までと同じように引く相撲を取っているなら、必ず負け越します。
さらに、もうひとつ言えば、霧島が負けた後にへらへらしているような表情に見えるのも非常に残念です。「あ〜あ、また失敗しちゃったなあ」みたいな危機感のない顔をしています。今の霧島は、心技体のすべてがダメになっています。大関を陥落したら、もう一度霧馬山にしこ名を戻して三役に上ってきた頃の気持ちと相撲を取り戻してほしいものです。
第24号 5月14日は相撲界にとっては大事な日(2024.5.14)
昨日高安に期待したいと書いたら、その高安も休場になってしまいました。ますます今場所はつまらなくなってきました。とりあえず、今日は今場所の話は置いておいて、5月14日という日が相撲界にとっては記録に残る日だという話をします。
何の話かと言えば、昭和の大横綱・大鵬と千代の富士がともにこの5月14日に引退をしているのです。大鵬は1971年に、千代の富士はちょうどその20年後の1991年に引退しています。まあそれだけと言えばそれだけなんですが、この日が自分の誕生日なので、やはり相撲とは縁があるのかなと思っているという次第です。
第23号 照ノ富士は引退したいはず、貴景勝は引退すべき(2024.5.13)
昨日予測したように、早速照ノ富士と貴景勝が休場してしまいました。もう少しは出るかと思いましたが、予想以上に早かったです。照ノ富士は本当は引退したいのだと思います。彼の責任感から言えば、こんな体で横綱は務まらないと思っているでしょう。ただ、横綱不在になってしまうのは相撲協会としてもまずいので、引退させたくないという感じでしょう。でも、さすがにもう無理な気がします。今年中に照ノ富士は引退を選びそうな気がします。
他方、貴景勝は引退すべきです。2場所連続で負け越さなければ大関を陥落しないという制度を利用してぼろぼろの成績なのに、大関のままでいるのはどうにも納得が行きません。今場所は再出場はしないでしょうからもちろん0勝です。これを計算に入れると、直近1年で貴景勝は30勝しかしていないことになります。休みは負けと同じですから、言ってみれば、30勝60敗です。こんな成績で大関を落ちないというのはある意味見事ですが、みっともない気がします。大関を落ちて平幕で頑張っている高安、正代、御嶽海といった力士の方が、はるかに好感が持てます。
貴景勝もいろいろ痛めているところはあって同情すべき余地もあるのでしょうが、なんか評価できない力士なんですよね。大関を陥落することになったら、貴景勝は引退しそうな気がします。平幕に落ちて相撲を取っているイメージが湧きません。
あと、大の里ですが、高安に実力負けでしたね。あの相撲を見ると、今場所一気に優勝というのはなさそうです。むしろ、こうなったら高安に悲願の初優勝をしてほしいなあと思うのですが、動き回る小兵力士をどの程度うまく対応できるかですね。実力は大関以上なのですから、優勝しても全然おかしくないのですが、、、
なんだか今場所は始まるのがたいして楽しみに思えない感じで始まってしまいました。先場所優勝した尊富士はたぶん休場するだろうなと思っていましたが、久しぶりに三役に戻った朝乃山も休場すると一昨日に聞いてがっかりしました。まあでももちろんテレビは見てました。1横綱、4大関、2関脇という上位7人が全員負けるという超波乱の初日でしたが、あまり意外な感じもしませんでした。今は、横綱から平幕まで力の差がなくなっています。どっちが勝ってもおかしくないという取組ばかりです。しいて言えば、今日照ノ富士に勝った大の里が突っ走るかもしれませんが、彼に関しては同じ部屋の未成年力士に飲酒を強要した疑いが濃いのに、出場停止にもならず甘い処分をされているので、なんだか応援する気が消えてしまいました。
推しだった――ここ最近の霧島は魅力がなく、推す気もだいぶ薄れています――霧島は首が痛いのか、先場所と同じような鈍い立ち合いしかできず、これでは今場所も負け越して大関を陥落しそうです。尊富士は全休でしょうから、来場所は十両に落ちます。朝乃山は途中から出てくるかもしれませんが、ぎりぎり勝ち越しは狙えても優勝争いに絡むことはありえません。横綱をかけるとか、大関をかけるという人もいないので、注目ポイントがあまりない場所です。照ノ富士と貴景勝はきっと休場になるでしょう。
まあ場所が進んでいけば、白星を積み重ねる人も出てきて、それなりに関心を持てるとは思いますが、今の段階では今場所は今一つ興味がわかないという感じです。とりあえず、チェックだけはしていきます。
第21号 伊勢ケ浜部屋はよい力士が育つのは当然ですね(2024.3.24)
尊富士が頑張って出場し、かつ豪ノ山を圧倒し110年ぶりの新入幕優勝を決めました。昨日の怪我の様子からすると出場してもまともな相撲を取れないのではないかと思っていたので、驚きました。しかし、いい形で終わってよかったです。もしも尊富士が負けていたら、大の里も負けたので、2人とも負けて尊富士の優勝という、なんか締まりのない終わり方になるところでした。そうならなくてよかったです。
さて、春場所最後のこのコラムは、本日の解説者だった伊勢ケ浜親方についてです。尊富士の師匠でもある伊勢ケ浜親方は今日の解説は喋りにくいのではと思いましたが、どの力士に対しても的確な指摘をしていました。表面的な解説者としてのパフォーマンスはトーンが低すぎて今一つなのですが、しっかりその解説の中身を聞くと、言っていることは理論的で納得の行くことばかりです。尊富士に関しても、相撲を取り終わるまでは足の状態はあまりよくないというだけでしたが、終わってからは「筋が伸びてしまっているので、土俵に上がるのは無理だと思ったが、本人がどうしても取りたいというので認めた。こんな歴史的な記録のかかった一番を取らせないわけにもいかないと思った」と正直な気持ちを話してくれて、静かに感動している姿を見せてくれました。他方で阿炎にあっさり負けた熱海富士には「今日の相撲は0点」と厳しいコメントをしていました。愛情を持って厳しいことも的確に指摘していく伊勢ケ浜親方がいるから、伊勢ケ浜部屋の力士は育つんだなと改めて思いました。横綱に日馬富士と照ノ富士、関脇に安美錦、宝富士、幕内上位に翠富士、熱海富士、錦富士、そして来場所には尊富士も上がってきます。他にも、照強、誉富士など4力士も関取になっています。10人以上関取を育て、横綱を2人も作るのは、かなりの指導力です。解説を聞いていると、指摘が的確なので、力士がちゃんと伸びるんだろうなとしみじみ思いました。
第20号 大変なことになってしまいました(2024.3.23)
今14日目が終わったばかりですが、尊富士が怪我をしてしまいました。たぶん捻挫ではないかと思いますが、救急車で運ばれたので、かなり深刻な状態なのかもしれません。休場はせずに出てくるとは思いますが、力は出ないでしょう。豪ノ山あたりが相手になるように思いますが、勝てないでしょう。(もしかしたら立ち合いに変化をして勝機を求めるかもしれません。)ただし、3敗で追いかけるのは大の里しかいませんので、大の里が千秋楽に負ければ、尊富士は負けても優勝になります。たぶん、明日の大の里の相手は豊昇龍ではないかと思います。豊昇龍が今日勝っていれば、必ずどちらかが3敗で尊富士と同点になり、優勝決定戦になり、その場合は尊富士が勝つことはないので、大の里か豊昇龍のどちらかということになったわけですが、豊昇龍が今日負けてしまったので、下手をすると、怪我したままの尊富士が優勝という可能性もあります。最後になって誰も予想していなかったような展開になってしまいました。ただ、私は先場所終了後に、尊富士の膝から下の脚が細いのが気になる、いつか致命的な怪我をしてしまうのではないかと予想していたので、なんか自分の予想が当たった感じで怖いです。
新十両の時から伸びる力士だと思って応援してきた霧島ですが、今場所の霧島が休場せずにふがいない負けを続けているのを見て、応援する気がなくなりました。力が出ないのに出場することが正しいと思っているとしたら大間違いです。力が出ずに負けるだけの大関なんかファンは見たくありません。とっくのとうに休場しておくべきだったのに、このまま千秋楽までふがいない姿を見せ続けるのかと思うと、ほとほと嫌になりました。今場所負け続けたことによって負けるイメージがついてしまいましたので、来場所も負け越して大関陥落ということも十分ありそうです。親方や協会首脳部もこんなふがいない相撲を取り続ける大関にはむしろ休場勧告でもすべきなのです。明日はきっと貴景勝が休場すると思うので不戦勝でしょうが、千秋楽は番付通りなら豊昇龍と結びの一番を取ることになります。霧島の勝ち目はゼロで、つまらない勝負です。万一尊富士が明日、明後日負けたら豊昇龍にも優勝の目があることになりますが、今の霧島ではそんな取組を組まない方がいいと言いたくなるほどです。そのくらいひどい相撲を取っています。今場所限りで定年になる陸奥親方が適切なアドバイスをできていないのも不快です。
霧島問題は置いておいて、明日、尊富士に朝乃山を当てたのは実に正しいです。私が一昨日期待した取組が組まれました。NHKは貴景勝か豪ノ山か、なんて的外れなことを言っていましたが、さすがに審判部はわかっていました。まだ尊富士と当たっていない力士で一番勝つ可能性が高いのは、朝乃山です。朝乃山も立ち合いは鋭いので、立ち合いから一気に持っていかれることはないはずですし、ともに右四つなので朝乃山得意の右は入るでしょう。ただ、尊富士は相撲が早くて上手いので、立ち合いからの出足は止められても朝乃山が上手をつかむ前に二の矢で一気に走って勝つということもありそうです。まあでも、阿炎、大の里、琴ノ若、朝乃山と破るなら、文句ない堂々たる幕内最高優勝です。希望としては、明日は朝乃山が勝ち、大の里、豊昇龍も勝ち、一差で千秋楽を迎えることです。ただし、その場合も千秋楽で尊富士に勝てそうな相手探しは難しいですが。高安は力はありますが、尊富士のスピードには対応できなさそうです。しいて言えば、何をやるかわからない宇良でしょうか。まあでも、決定戦も含めてこれから3連敗しない限り、尊富士の優勝ですから、99.9%新入幕力士の優勝で間違いないでしょう。
第18号 今後1〜2年で勢力図が大きく変わりそう(2024.3.20)
尊富士が昨日の大の里に続き、琴ノ若も撃破してしまいました。立ち会いさえ止めれば琴ノ若の勝利だろうと思って見ていましたが、尊富士、二の矢も鋭かったですね。膝から下が細いのが気になっていましたが、あの脚だからこそスピードがでるのかもしれません。まるで陸上選手のような脚です。もうほぼ新入幕優勝は間違いないです。明日は豊昇龍ですが、その後はもう三役とは当てない方がいいです。残りの大関、関脇ではまったく相手にはなりません。残り3日の相手としては、朝乃山、高安という体が大きく力の強い元大関、あるいは宇良や翔猿のようなトリッキーな相撲を取る力士の方がまだ勝つ可能性がありそうです。でも、明日を含めても2敗しそうな感じは全然しません。豊昇龍は立ち合い変われば、勝てるかもしれませんが、そんな相撲を取って勝ったら、ものすごく批判を受けますのでしないでしょう。となれば、立ち合いから尊富士が一気に土俵際まで持っていくことは確実です。わずかなチャンスは、豊昇龍は足腰がいいので、そこで残して突き落としでも決まればと思いますが、尊富士は土俵際も割と上手いので、ガチっとまわしを引いて寄り切られるというイメージの方が湧いてきます。もう関心は、誰が尊富士を止めるのだろうという雰囲気になってきました。
それにしても、大相撲界は最近は毎場所のように新入幕や幕内経験の浅い力士が優勝にからみます。今場所の尊富士、先場所の大の里、その前2場所は熱海富士、さらには伯桜鵬でした。伯桜鵬は宮城野部屋問題でやる気を失ってしまった感じで、しばらく下の方にいそうですが、他の3力士はすぐにみんな三役になり、さらには大関になる人も出てくるでしょう。大の里が早いと思っていましたが、今場所の尊富士を見ていたら、近いうちに大の里・尊富士時代になるのかなと思わざるをえません。1〜2年経ったら、番付はがらりと変わっていそうです。
霧島はこのまま今場所で続けたら、すっかり自信を失い、来場所も負け越すという可能性もかなりありそうです。休ませるべきです。陸奥親方が今場所で定年で場所後に式典とか行われるので、それに出席するためには休場できないというような事情ではないでしょうか。今日の相撲なんて、まったく力が出ていません。自信喪失は怖いです。休ませてやってほしいです。
第17号 尊富士、思った以上に強いなあ(2024.3.18)
新入幕の尊富士、上位に当てられたら勝てないのではと思っていましたが、阿炎を一蹴してしまいましたね。あの出足、そこまですごいのでしょうか?明日の大の里との一番もわからなくなってきました。立ち合いの馬力は、大の里の方があるとは思いますが、尊富士が今日の阿炎戦くらいの立ち合いができたら、大の里も一気に持っていけないかもしれません。そうなると、大の里の方が相撲が荒削りな分、尊富士が勝つということもありそうです。もしも明日大の里に勝つようなら、10日目終えて星2つの差の単独トップになります。新入幕優勝の可能性も高まります。うーーん、そんなに強い力士なのかな?希望としては、明日は大の里に勝ってもらって1敗で若手2人が並び、星ひとつの差で琴ノ若が続くというパターンがいいのですが、、、明日の結果次第ですが、優勝争いはこの3人になっていくのではないかと思います。とりあえず、大の里と尊富士には大関4人とすべて対戦させてその壁を突破できるかどうか確認させてほしいと思います。突破できれば堂々たる優勝です。
すっかり自信を失った霧島が6敗目を喫しました。少し負けてもいずれ復活するだろうと思っていましたが、今場所はもうだめですね。このまま出続けて負け続けると、勝てないという悪いイメージだけが染みつきそうです。この際休場した方がいいです。
さて、今日は春場所のことより、片桐塾生のHS君に教えてもらった相撲のサイトがあまりに素晴らしかったので、このコラムを読んでくれるような相撲好きならきっと関心があるだろうと思い、それを紹介させてもらいます。「大相撲の歴史 動くランキング」というサイトで、1807年から2020年の各場所の直近15場所の勝ち星をデータとして示したものです。各時代にどの力士が強かったのかが明確にわかる非常に興味深いデータです。このデータを作るのにどれほど時間をかけたのでしょうか。すごいです。
https://www.youtube.com/watch?v=MNCuezVZ_zs
照ノ富士が3連敗となりました。たぶん明日から休場でしょう。6連勝は入幕2場所目の大の里と新入幕の尊富士の2人です。大の里に関しては第12号に書いたように、今場所の優勝争いに絡んでくるどころか、中心になっていくでしょう。初優勝の可能性も高くなってきた気がします。新入幕の尊富士はそこまで強いかなと思っていましたが、幕内下位ではあの出足で勝ってしまいますね。ただ、大の里ほどの体と馬力はないので、このまま勝ち進んでいって、幕内上位の実力者と当てられたらまだ勝てないと思います。三役陣では阿炎が5勝1敗でもっとも成績がいいですが、あのバタバタ相撲では今後勝ち進むのは難しいと思います。大の里の馬力を受止められそうなのは琴ノ若くらいでしょうか。他には大の里を止められそうな力士が思いつきません。土俵際の逆転負けとかで2つくらいは星を落としそうですが、13勝2敗でザンバラ髪の大の里の初優勝となるのではないでしょうか。
第14号 王鵬が強くなったのか、照ノ富士の調子が悪いのか(2024.3.14)
照ノ富士が5日目で3敗となってしまいました。今場所は残す腰がないですね。たぶん休場することになるでしょう。他方、王鵬もかなり力をつけてきたことが実証された感じです。なかなか相撲が進歩せず幕内下位から中位に留まっていましたが、先場所あたりから突きの威力が増してきました。北の富士さんが、「王鵬は右手が使えてない」とずっと嘆いていましたが、今の王鵬は右手もしっかり出るようになりました。この突っ張りを中心に前に出る相撲を取り続ければ、これからは幕内上位で活躍できるでしょう。明日は、今日ようやく初白星をあげた霧島とです。霧島は今日もまだ本来の相撲ではなかったので、今日のような相撲を王鵬が取れたらいい勝負になりそうです。
第13号 すっかり自信を失ってしまった霧島(2024.3.13)
なんと霧島が4連敗してしまいました。昨年は年間最多勝、2度の優勝、綱取りまで経験した大関が目も当てられない姿です。体がどこか悪そうには見えないので、基本的には精神的な問題だという気がします。すっかり自信を無くして、前に出てまわしをしっかり取って勝つのだというイメージが自分で湧かないのでしょうね。すぐに引き技を使い墓穴を掘る、ないしは足が思うように出ず、逆に前に落とされるという相撲が交互に出て4連敗となりました。こうなると、休場ということも頭に浮かんでくるでしょうね。でも、体は悪くなさそうなので、ズル休みはせずに、この逆境を跳ね返してなんとか勝ち越しまで持って行ってほしいものです。まあでも、今の精神状態では無理かなあ。明日の明生にも負けるようなら、休場を選択しそうです。
2日目が終わりました。昨日、今日と見てきて、大の里の強さが本物になってきたなと感じています。今日は当たりの強い豪ノ山を立ち合いから圧倒し一気に押し出しました。このパワーは本物です。勝ち進んでいって上位とも当てられていくでしょうが、今の大の里なら大関、横綱とも五分以上の勝率を示しそうな気がします。先場所も上位と当てられて3連敗しましたが、今場所は同じ轍は踏まないでしょう。あの体力とあの出足は脅威です。今場所の優勝争いに絡んでくる気がします。
さて、私が若い時から推してきた霧島が場所前の好調だという噂とまったく異なる2連敗の出だしになりました。まあ、このままずるずる行くことはないと思いますが、2連敗は痛いです。彼は落ち着いたような顔をしていますが、まだまだ自分に自信を持てていないですね。絶対引かずに前に出て勝つんだという信念が持ててないです。今日も熱海富士に小手投げで崩された後、我慢すればもう一度態勢が作れそうだったのに、安易に引いて墓穴を掘ってしまいました。霧島は安易に引かないという意識を持つことがまずは必要です。明日の相手は宇良で頭が低いので、引きたくなると思いますが、もしも引いたら宇良の思うつぼです。3連敗もありえます。まあ、前傾姿勢を維持する宇良を起こすのは難しいので、引くのではなく、たぐったり、かわしたりできるといいのですが。
本日から春場所が始まりました。照ノ富士、霧島、豊昇龍が負けましたね。ただまだ1日だけなので、今後どうなるかはまだ全然わかりません。なのであまり書きたいなあと強く思うことがありません。しいて言えば、錦木ってやっぱりいい力士だなということくらいです。照ノ富士と真正面からぶつかり合って、真正面から寄り切れるのって錦木くらいです。インタビューを受ける姿もかわいいです。昨年名古屋場所に初日から10連勝した再現がなったら面白いなと思いますが、そこまでは難しいかなと思います。でも、ちょっと期待してみたいと思います。
結局、15日間出れば、照ノ富士がやはり圧倒的に強いんだということを確認させられた場所になりましたね。霧島は浮いてしまいましたし、決定戦の琴ノ若にもまったく勝機はなかったです。以前「つらつら通信」に書きましたが、江戸時代の雷電はこういう強さだったんだろうなと思ってしまいます。大関、関脇がまったく歯が立ちません。来場所も出てくるのかどうかわかりませんが、出場さえすれば圧倒的な第1人者としての地位は変わらないでしょう。霧島の横綱挑戦は白紙に戻りました。あと10s体重を増やし、照ノ富士と五分に渡り合えるようにならない限り、横綱にはならない方がいいでしょう。もっとどっしりとした重みが欲しいです。来場所から大関になる琴ノ若の方が横綱への道が近いかもしれません。
この1年以内で、霧島、豊昇龍、琴ノ若と3人の大関ができました。大栄翔と若元春は関脇止まりで終わりそうです。朝乃山も怪我が多いので、大関に戻れるかどうかは今の時点では厳しいと言わざるをえません。むしろ、次の大関候補は大の里になりそうです。あの力士は、数十年に1人の逸材です。すぐに三役になり、大関候補になるでしょう。照ノ富士の後継者は大の里かもしれません。(令和6年初場所千秋楽)
照ノ富士、強いですね。照ノ富士は、過去の対戦成績で、琴ノ若、豊昇龍、霧島に一度も負けたことがないわけですが、今場所は万全ではないので、もしかしたら琴ノ若にもチャンスがあるかもと思って見ていましたが、歯が立たなかったです。こうなると、明日の豊昇龍にも勝つでしょうから、ぜひ霧島も琴ノ若に勝ってもらって、千秋楽最後の一番で優勝と横綱をかけて霧島が照ノ富士に挑戦するという、私のシナリオ通りに進んでほしいものです。できれば、そこで霧島が勝って優勝と横綱をつかむとなったら最高なのですが。照ノ富士の壁を乗り越えてこそ、横綱になる資格があると思います。楽しみです。(令和6年初場所13日目)
第8号 期待のシナリオ通りになりつつある(2024.1.24)
上位4力士が実力通りに勝ち、1差の中にこの4力士がいるという期待のシナリオ通りになりつつあります。明日の12日目は全員下位力士が相手なのですべて勝ってもらって13日目以降の総当たりをぜひ楽しみたいものです。明日は琴ノ若が阿武咲、豊昇龍が隆の勝、この辺は番狂わせはありえません。霧島は玉鷲、照ノ富士は大の里です。たぶん、ここも大丈夫だと思いますが、琴ノ若や豊昇龍よりは多少の落とし穴もありそうです。まあでも大丈夫だと思います。そうなると、13日目が照ノ富士−琴ノ若、霧島−豊昇龍、14日目が照ノ富士−豊昇龍、霧島−琴ノ若、千秋楽が照ノ富士−霧島、豊昇龍−琴ノ若になります。私が一番期待するシナリオは、13日目、14日目ともに照ノ富士と霧島が勝ち、最後は千秋楽結びの一番で霧島が優勝と横綱をかけて同星の照ノ富士と対戦するというシナリオです。なおかつ霧島が熱戦の末に勝つというのが、私の期待するシナリオですが、照ノ富士は強いので跳ね返される可能性も高いです。でも、12勝3敗の準優勝なら、来場所にもう一度横綱をかける場所になるはずです。琴ノ若は豊昇龍に勝って12勝3敗なら大関に昇進させてもらえるでしょう。久しぶりに上位力士が上位力士らしい相撲を見せてくれているので、終盤の盛り上がりが尋常ではないです。(令和6年初場所11日目)
琴ノ若−大の里戦はあっけなかったですね。今の大の里は立ち合いからの馬力だけで勝っているので、そこが通用しないとまだ全然駄目ですね。明日は豊昇龍です。琴ノ若よりは押し込めるでしょうが、豊昇龍もだいぶ体が動くようになってきているので、そのまま土俵を割ることはなく、まわしを取って逆転という感じになりそうな気がします。
照ノ富士−金峰山戦は昨日予想したように、なんでこんな取り組みを組んだの?と言いたくなる予想通りの凡戦でした。下位の力士で当てるなら玉鷲でした。残念です。明日も、1敗でトップを走る琴ノ若の相手が王鵬です。ありえません。王鵬が勝つ可能性はゼロです。ここも玉鷲を持ってきてほしかったです。取組編成部、ちょっとずれています。琴ノ若の12日目はたぶん阿武咲でしょうが、これも琴ノ若にとっては楽な相手でしょう。朝乃山が再出場したら当てるかもしれませんが、体が完全でない朝乃山なら玉鷲の方が面白いです。13日目以降は上位4力士の総当たり戦になりますので、琴ノ若の対戦相手は、13日目は照ノ富士、14日目は霧島、千秋楽は豊昇龍で決まりです。13日目を迎えるまでこの4人が勝ち続けてほしいものです。
照ノ富士、霧島、豊昇龍が2敗で、琴ノ若が1敗で、13日目以降の4人の総当たり戦になるというのが、最高のシナリオですが、大の里が万一明日の豊昇龍戦に勝ち、明後日当てられそうな霧島にも勝つなんてことになったら、豊昇龍戦を崩して照ノ富士と大の里という取り組みを組むかもしれません。まあ、それはそれで興味深いですが。いずれにしろ、見どころの多い初場所です。(令和6年初場所10日目)
1敗でトップを走っていた朝乃山が昨日の取り組みで怪我をして休場してしまいました。北勝富士も休場です。かつて「つらつら通信」(第695号 大相撲界への提言(2019.1.25))で書きましたが、大相撲はやはり土俵を改善して怪我が少なくなるようにしないと、よい素質を持った力士が伸びきれなくなってしまいます。伝統にこだわらず、土俵下にマットを敷くことはすべきです。
まあとりあえずそれは置いておいて、相撲自体についてです。朝乃山が休場したために、私が予想していた朝乃山―大の里が組めなくなったので、どうするかなと思ったら、しっかり10日目に琴ノ若―大の里を組んでくれました。そして、今日、朝乃山に不戦勝で1敗を守った阿武咲を霧島に当てる取り組みを組んだのは、相撲協会のヒットです。ただ、明日の照ノ富士の相手が金峰山というのは残念です。どこから見ても、照ノ富士が負ける相手ではなく、もう少し誰かいなかったかなと残念に思います。まあ、翠富士、熱海富士とは同部屋ですから、番付順に行くと金峰山になってしまうのですが、朝乃山がいてくれたら、照ノ富士―朝乃山だったのにと残念です。
とりあえず、明日の琴ノ若―大の里が大注目です。琴ノ若なら大の里に一気に持っていかれないとは思いますが、ありえなくはないです。11日目の大の里は、照ノ富士と当てられるのではないかと思います。(令和6年初場所9日目)
第5号 早く関脇以上と当てないと、大の里の新入幕優勝もありうる(2024.1.21)
朝乃山が負けて全勝がいなくなりました。トップに並ぶ1敗は、琴ノ若、朝乃山、阿武咲、大の里の4人です。昨日も書きましたが、この中では大の里が大注目です。すでに三役の力を持っている大の里をこのまま幕内下位、中位と当てていたら、このまま勝ち続けてしまいます。明後日あたり、まずは朝乃山と当てられそうですが、朝乃山にも勝ってしまうのではないかという気がします。今、大の里を止められるとしたら、関脇以上の5力士くらいです。でも、終盤戦に入ると、この5力士同士の取り組みも組まなければいけないので、大の里や朝乃山との取り組みを作れなくなります。この何年間か、よくやってきたような上位力士同士の割を崩して、成績の良い下位力士を当てるとうのも、今場所は関脇以上の5力士はみんな成績がよいので、割崩しも簡単ではありません。
今日の遠藤戦なんて組む必要のない取組でした。今場所の遠藤に、大の里に勝つ見込みななんてゼロでしたので。明日の明生も大の里が圧勝するでしょう。これも要らない取組でした。10日目以降は、朝乃山、熱海富士あたりとまずぶつけるでしょうが、私は大の里が勝つ可能性が十分あるような気がします。そうなったら、12日目以降は関脇以上と組まなければなりません。朝乃山もそれなりには勝つでしょうから、大の里、朝乃山を関脇以上5人に加えた7人の総当たりという感じで、10日目以降の6日間の取組をしっかり作ってほしいものです。大の里が幕内下位力士だからと言って、幕内上位力士あたりとの取り組みでもいいのではと甘く考えていたら、新入幕優勝とかの可能性も出てきます。とにかく強いです。(令和6年初場所8日目)
第4号 宮城野親方(元・白鵬)の解説はよくわからない(2024.1.20)
照ノ富士が正代に負けてしまいましたね。やはり突進力のある力士に一気に攻め込まれると、今の照ノ富士に残せる足腰はないですね。明日は、四つ相撲の竜電ですからたぶん負けることはないでしょうが、残り8日間果たして休場せずに済むかどうか微妙なところです。
今日時点で、7銭全勝は朝乃山だけで、1敗に霧島、琴ノ若が続きます。照ノ富士の腰や膝が厳しそうなので、この3人が優勝争いの中心になりそうです。あと、ダークホースとして新入幕の大の里を挙げておきたいと思います。後半戦になったら上位力士とも当てられるでしょうが、大の里の馬力と腰の備えなら、上位力士とも十分渡り合えるでしょう。今の時点で、三役並みの力をすでに持っています。10日目以降あたりから朝乃山も大の里も上位力士との取り組みが組まれるでしょうが、非常に楽しみです。
さて、本日のタイトルについてですが、本日正面解説をしていた元・横綱白鵬の宮城野親方の話は、聞いていてあまり納得ができません。妙なところに目をつけてそれを自信を持って語りますが、アナウンサーも元大横綱の発言だけに「なるほど」とか相槌を打っていますが、実際は全然わかっていない感じです。喋り方は暗いですが、元・横綱旭富士の伊勢ケ浜親方や、元・安芸乃島の高田川親方の解説は、確かにそうだなと思うことが多いですし、元・横綱鶴竜の音羽山親方の解説は一番歯切れもよく内容も納得の行くものですが、宮城野親方の解説はさっぱりわかりません。あんな独特の感覚で指導していたら、宮城野部屋の力士は伸びてこないのではないかと思います。白鵬は「名選手、名監督たらず」のタイプのような気がします。(令和6年初場所7日目)
第3号 霧島にはまだ横綱の強さはないですね(2024.1.17)
霧島に土がつきましたね。相手が小兵の翠富士というのは、ちょっと印象が悪いです。横綱になろうという力士なら負ける相手ではないと思われるくらいの力士です。やはりまだ霧島には横綱を張るほどの強さは備わってないですね。まあ、それなりには勝ってはいくでしょうから、二桁以上上手く行けば12勝くらいはするかもしれませんが、優勝には届かず横綱昇進は見送りという可能性が高くなってきたように思います。
特にそう思わせるのは、今日の照ノ富士の落ち着いた相撲です。豪ノ山が突っ張って来るのをあっさりたぐって投げ飛ばし余裕の勝利でした。腰や膝が痛くならずに落ち着いて取れば、今の大相撲で照ノ富士に勝てる人はいません。15日間出られるなら、やはり優勝候補No.1です。照ノ富士にはまさに横綱のどっしりとした強さがあります。
豊昇龍は今日も運動神経と足腰の良さで逆転勝ちましたが、毎日危ない相撲です。それに比べたら、琴ノ若は本当に強いです。横綱を狙う霧島よりはるかにどっしりした強さを見せています。小兵にもかき回されないし、大型力士にもパワー負けしません。12勝すれば大関当確でしょうが、確実にその可能性は高くなってきています。
朝乃山も4連勝ですね。前半戦は幕内上位力士と当たらないですから連勝の可能性もあります。下位ではやはり大の里ですね。今日は全勝の島津海を一直線で持っていきました。彼も前半戦勝ちこんでいくでしょうから、朝乃山とも当たるでしょう。結構いい勝負になると思います。この力士はすでに幕内上位の力を持っていますので、上と当てられても勝つ可能性も十分あると思います。いずれにしろ、期待されていた力士が確実に勝ち星を積み重ねている感じで、非常に楽しみな場所になってきています。(令和6年初場所4日目)
照ノ富士、阿炎の上突っ張りをなんとかかわして勝ちましたね。照ノ富士は大柄な割に器用です。ただ、最初にかわしたところで勝負を決められず、土俵上でかなり動くことになりましたので、膝や腰への負担はかなりあったのではないかと思います。こういう相撲が続くと、だんだん厳しくなってくると思います。
3日目を終えて全勝は、霧島、豊昇龍、琴ノ若、朝乃山、島津海の5人になりました。人気の朝乃山が入っているのでファンの期待は大きいでしょうが、今の朝乃山の相撲はスピードはあるけれど重みがないので、土俵際の突き落としなどを喰いやすいです。連勝もそういつまでも続かないような気がします。新入幕の島津海は非常にいい相撲を取っていて今場所それなりの成績をあげそうですが、ずっと勝ち続けるほどの力はないです。とりあえず明日の大の里との取り組みは注目です。上位3人は実力通りですが、相撲っぷりを見ると、やはり豊昇龍はじきに土がつくだろうなと思います。昨日書いたように、霧島と琴ノ若の優勝争いになっていきそうです。
高安の休場は驚きました。場所前絶好調だったと聞いていたので、その力をそのまま出せば優勝の可能性も十分あるのではと思っていたのですが、2日目の朝の稽古で腰を痛めたということで休場となりました。怪我さえしなければ、大関に戻りさらには横綱の可能性のあるような実力者ですが、怪我が多すぎます。それも膝や足首のようなわかりやすい箇所ではなく、腰なのでどのように怪我しているのかがよくわからないし、休場明けの翌場所とかでもめちゃくちゃ強い相撲を見せたりするので、ファンはもやもやするでしょうね。でも、このままでは「本当はべらぼうに強かった元大関」といった肩書で終わりそうです。(令和6年初場所3日目)
場所ごとに相撲好きが高じてきていて、場所が済んでから1本だけ「KSつらつら通信」に書く程度では物足りなくなってきたので、お休みが続いている「北の富士コラム」に代わって、「片の富士コラム」を随時書きたい時に書くことにします。では早速始めます。
今日の結びの一番、照ノ富士-若元春の相撲を見て、照ノ富士の今場所皆勤は難しいだろうと感じました。あの若元春の寄りを残せなかったのは、やはり腰が痛いのでしょう。この後、明日の阿炎をはじめとする激しい突き押し相撲の力士との対戦では厳しいのではないかと思います。前半戦で3敗くらいしたら休場ということになりそうです。
他方、横綱をめざす霧島は落ち着いています。場所前の稽古で負け続けた高安を圧倒しました。この落ち着きぶりと相撲っぷりなら、優勝候補の一番手です。他の大関、関脇も2連勝ですが、強いのは関脇2人ですね。琴ノ若と大栄翔は絶好調です。貴景勝はじきに土がつくでしょう。豊昇龍も相撲が軽いので、どこかで土がつくでしょう。霧島と琴ノ若の優勝争いというのが、相撲協会的にも望むところでしょうね。
新入幕の大の里も相当勝つでしょう。幕内中位には朝乃山もいますし、今場所の幕内は下位、中位、上位とずっと目が離せません。おおいに楽しみです。(令和6年初場所2日目)