倫理学を学ぶ
■講義概要 |
倫理学(道徳哲学)とはどのような学問かということを説明する。法学、政治学、経済学と倫理学の関係にふれる。本講義は、たんに倫理学だけの入門をめざすよりも、むしろ、この授業を受講したひとたちが、いろいろな学問領域がたがいにかかわりあっていること、そしてまた、学問の営みは歴史的に変遷してきたことについての意識をとぎすますことができるようにすることを教育目標のひとつにかかげる。
この授業の到達目標は、@倫理学の基礎知識の的確な理解であり、Aそれをとおして倫理的問題を考察する能力の習得にある。 |
■講義計画 |
第1回 ガイダンス:授業の進め方。成績評価の方法。過去年度の成績評価、等の説明 第2回 倫理学とは何か 第3回 倫理と法、政治、経済@ 第4回 倫理と法、政治、経済A 第5回 倫理と宗教 第6回 倫理を「作る」 社会契約論 第7回 倫理は「自然」に根拠をもつ 共感理論 第8回 有限な理性的存在者としての人間 義務倫理学 第9回 人間の幸福 功利主義 第10回 現代代の倫理的問題@ 人間の尊厳 第11回 現代代の倫理的問題A 脳死と臓器移植 第12回 現代代の倫理的問題B クローン人間 第13回 現代代の倫理的問題C 環境破壊と未来倫理 第14回 現代の倫理的問題D 自然物の権利 第15回 まとめ 授業支援システムを使って、小テストを行なう予定。 |
■成績評価 の方法 |
定期試験(筆記)の成績と平常成績で総合評価する。
講義概要に記した到達目標@Aのうち、@については、授業支援システムの小テストによってその知識の正確さに応じて、Aについては、筆記試験によって問題関心の深さ、問題の説明能力、論理的思考力によって到達度を査定する。 |
■教科書 |
なし。必要な場合、プリントを配布する予定。 |
■参考書 |
宇都宮芳明・熊野純彦(編) 倫理学を学ぶ人のために 世界思想社 主題ごとに重要な倫理理論を簡潔に紹介している。 ロバート・ヴィーチ著、品川哲彦監訳 生命倫理学の基礎 メディカ出版 第1章に、倫理学全体についての展望があり、生命倫理学の諸問題についても事例に即して興味深く説明している。 市川浩・小島基・佐藤高晴・品川哲彦(編) 21世紀の教養1 科学技術と環境 培風館 科学技術と環境問題について、自然科学・人文科学・社会科学の諸分野の研究者たちがわかりやすく説明している。 |
■備考 | これまでの受講生から受けた反応は、「話の内容は興味深く、わかりやすい。しっかり講義を聴いてノートをとり、小テストを受けること」とのこと。できるかぎりわかりやすく説明することを心がけるが、緊張感をもって授業に臨まない学生がたやすく理解できる内容ではありません(どんな学問でもそうですが)。私語をする学生などには厳しく注意するので、そのつもりで。 |
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