哲学倫理学専修研究3

■講義概要
 
 専修研究1および専修研究2で修得した哲学・倫理学の知識をさらに深めるために、哲学・倫理学で扱われれる重要な研究テーマからいくつかを精選して、その論点、その背景、競合する解釈・立場を整理して考察する。また、専修研究1および専修研究2では十分に展開できなかった、とくに現代の哲学・倫理学の知識を拡充する。以上によって、各自の卒業論文作成のためのテーマ設定、問題設定の一助ともなるように、受講生の知的関心を賦活する。
 専修研究4では、とくに倫理学で扱われる主題をとりあげる。とりわけ、前半では、社会のなかに生じる具体的な問題をとりあげ、後半では、メタ倫理学的な問題や脳神経倫理学をとりあげる。哲学倫理学専修の教員によるリレー講義で行う。
■到達目標

 

 

@各回に扱われるテーマをとりまく論点、背景、競合する解釈・立場の的確な理解を得る。
Aとくに現代の哲学・倫理学に関する知識を拡充する。
B@とAをとおして、知的な関心を高め、一見したところ難解と思われる問題にもタフに明晰に考えぬく思考力を鍛える。

■講義計画 (三村担当)
§1 わたしとあなたが入れかわる(ラバーハンドイリュージョン)
§2 ゾンビ問題(ヘテロ現象学)
§3 自己性と他者性(行為者感覚と所有者感覚)
§4 多重感覚性と共感覚(音世界が見える、色が触られる)
§5 認知神経リハビリテーションと現象学
§6 当事者研究における当事者の視点
§7 哲学的身体論としてのメタ・ファッション論

(品川担当)
§8 生命はいつでも尊重されるべきか
§9 死ぬ権利は認められるか
§10 私たちは自分の国の過去の歴史に責任をもつか 
§11 「働く」状況はどのように変わってきたか
§12 他の国の国民を援助する義務はあるか
§13 結婚することは合理的か
§14 上述の問題の再検討、あるいは、生きることの意味

§15 まとめと試験
■授業時間外学習  品川担当分については、授業支援システムを用いて、あるいは、授業中に次週とりあつかう資料を配布する。資料を事前に読んで、授業支援システムに載せる小テストを受験すること。小テストは授業の1週間前から開示する。

 復習: 各回の授業の内容をしっかりと反復して、それぞれのテーマについてレポートを課せられたときに対応できるように論点を整理しておくこと。
 参考文献の読解: 授業中に紹介される参考文献のなかから、とくに自分の関心を引くものについては、図書館を利用するなり、購入するなりして、自分自身で読みすすめていくこと。

■成績評価
の方法
 
  定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
 毎回(授業支援システムを利用して、ないしは、授業中に行う)小テスト(50%) 授業最終日に行う試験による評価(50%)
■基準   授業でとりあげたテーマの論理構成に対する理解の的確さ、重要概念に対する理解の的確さに応じて評価する。
■教科書
 
  毎時間、講義概要を配布する。
■参考書    毎時間、担当者より紹介する。
■備 考
 
 

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