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過去の研究実績

データマイニングとは、大規模データからの知識発見のための技術、システム、プロセスのことです。DMラボのコアメンバーは、データマイニングをビジネスに応用するための、基礎技術開発、アプリケーション、プロセス開発、および実践を行っています。さまざまな業界において、企業との共同研究を進めており、開発されたアプリケーションは多くの企業に採用され、優れた成果をあげています。

過去または現在において、取り組んできた研究内容には、下記のようなものが含まれます。

MUSASHI(データマイニング志向のオープンソース・プラットフォーム)

MUSASHI はビジネスにおけるデータマイニングの実施に必要となる、大規模データ処理のために開発されたコマンド群です。MUSASHIはXMLで記述されたテーブルデータもしくはTEXTの表構造データを処理することができます。オープンソースであるため、自由にダウンロードし、カスタマイズすることも可能です。他の有償・無償のマイニングソフトと組み合わせると、非常に強力な分析ツールとなります。

E-BONSAI(文字列解析技術を用いたカテゴリ時系列解析システム)

文字列解析システムBONSAIはゲノム解析の分野で開発されたデータマイニング手法です。これは長い文字列から特定のグループが持つ特徴的な部分文字列を抽出する手法です。我々は消費者行動パターンを文字列として表現することを思いつき、時系列購買パターン分析に文字列解析を応用したE- BONSAIを開発しました。ブランドスウィッチや需要予測問題に対して、高い精度を持つ予測モデルを構築することができ、小売業において販促実験を行った結果、売上増加を実現し、有用な知見を獲得することができました。

グラフマイニングのビジネス応用

グラフマイニングはリンクとノードで表されるグラフ構造データから特徴的な部分グラフを抽出する技術やシステムのことを意味します。我々は大阪大学鷲尾研究室で開発されたグラフマイニングシステムAGMをビジネスデータに適用する枠組みを開発し、ビールなどを対象に実験を行い、有用な知見を得ることができました。この知見をもとに、新しい販売促進戦略を展開した結果、対象商品の売上増加だけではなく、関連商品である鮮魚などの売上増加を達成し、新しい販売戦略の基礎を提供することができました。

C-MUSASHI(WEBログデータ、顧客データを利用したCRMシステム)

C- MUSASHIとはMUSASHI上で動くデータマイニング技術を利用したCRMシステムです。実店舗やインターネットショップなどの顧客データを利用し、過去の顧客の購買傾向から効率的な販売戦略を策定します。またC-MUSASHIは複数店舗を経営する企業向けに、店舗管理システムを内包しており、店舗ごとの異なる環境や顧客に合わせ、適切な店舗戦略を実施する知見を提供します。食品、日雑、電化製品、自動車など多様な業種で利用可能です。

CODIRO(データマイニングを利用した消費者調査システム)

CODIRO は社内の顧客データだけではなく、モバイルサイトのデータやインターネット調査会社、製造企業の販促データベースなど多様なデータベースを有機的に統合し、消費者行動調査を実施するシステムを指します。消費者の広告やブランド認知を測定し、それらの購買行動を詳細に把握することで、より正確な消費者調査が可能になります。論文では、食品企業との共同研究における広告実験を行い、消費者の認知プロセスと購買行動における関係を明らかにしています。

説得コミュニケーションからの知識発見

顧客対象のビジネスでは債権回収業務に大きな費用がかかっています。しかしながら、これらの業務は極めて人間に頼る部分が大きく、成果は彼らの交渉技術に大きく依存します。我々は債権回収業務を行っているオペレーターの交渉過程を分析することによって、人を効果的に説得するプロセスを分析するシステムを開発しました。勘と経験だけでなく、科学的に交渉を分析するという視点は重要であり、今後の幅広い応用が期待されます。論文では、ある通信企業の債権回収業務を対象に分析を行い、有用な知見を発見することができました。

PRISM(データマイニングを利用した最適プライシングシステム)

PRISM とはデータマイニング技術を利用した最適プライシングシステムです。さまざまな顧客の過去の購買データをもとに、複数カテゴリ間の適切な価格パターンを抽出することができます。無駄な値引きが横行する小売業で、効果的かつ利益の取れる価格設定を行うために、科学的なアプローチとシステムを提供しています。

RFIDデータを用いた顧客動線分析

RFID は非常に小さなICタグで、物流における位置確認など、さまざまな用途に利用されています。我々はこれを顧客の店内行動の把握に利用し、顧客動線データを得ることによって、有用な知見を発見しようと試みています。顧客の購買プロセスである、購買行動を詳細に分析することによって、店内レイアウト、販売促進活動の効率化に関する有用な知識の獲得をめざします。

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