本の表紙 【原作】
La Guerre des Vins : l’affaire Mondavi  Mondialisation et terroirs
Dunod 社2005年2月刊
2005年 Express-Expansion 賞
(「調査」部門最優秀作)受賞

【原作者】
オリビエ・トレス Olivier TORRES
フランス モンペリエ第3大学 准教授
リヨン ビジネススクール客員教授

【翻訳者】
亀井克之
関西大学 社会安全学部 教授

内 容

「モンダビのワインはヨーグルトみたいだ!」
反対派の旗頭エメ・ギベールのこの言葉は世界を駆け巡った。グローバル化が進むワインの分野にも,「マクドナルド」化の波が押し寄せるのか? 米国カリフォルニアのワイン・メーカー,モンダビによる南仏ラングドック・ルシオン地方アニアーヌ村への進出計画の失敗。このまぎれもない歴史的事実を本書は語る。当初,地元のワイン製造者から地方自治体に至るまで,この計画に関係する者すべてが勝者となるはずだった。しかし,反グローバリゼーション運動家,環境保護主義者,共産党,農村移住者,狩猟家といった反対勢力とのすったもんだの挙句,カリフォルニア・ワインの巨人は,失意の内にフランスを去る。 これは「侵略者に抵抗しようとする」農村国フランスの「勝利」を語る新たな物語である。 この事件の背景には,ワインというフランス文化の象徴がある。新世界生産国における大量生産方式のワインと,伝統的生産国におけるテロワール(地域の特性)に立脚したワイン,両者の対立は,「アングロ・サクソン型」資本主義と,「フランス流」協同体的保護主義との間に起こった衝突の例示である。あなたがアニアーヌ村の住民ならモンダヴィの進出計画に賛成しますか?反対しますか?

目 次

序言 マクドナルド化するワイン
第1章 ロバート・モンダビ,ナパ・バレーのパイオニア
第2章 世界最大のブドウ園,ラングドック
第3章 エメ・ギベール,古き良きフランス
第4章 モンダビ,アニアーヌへ,困難だが将来性ある事業計画
第5章 事件は熟成す
第6章 政治家の介入
第7章 モンダビ事件その後:ジェラール・ドパルデューが村にやって来た
第8章 失敗の要因:文化の違い 結論 地域協同体主義,フランス的例外

定価:3100円(税抜き)
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