9:30-12:30:オープニングセッション:経済実験環境のコンソーシアム化をめざして
関西大学ソシオネットワーク機構6F会議室
9:30-9:45 Opening Note:ワークショップ開催の趣旨説明:小川一仁(関西大学経済実験センター)
関西大学ソシオネットワーク機構6F会議室
9:45-10:30 経済実験の大規模化にどう対応するか-Raven's Testの導入と謝金スケールの標準化-:渡邉直樹 (筑波大学)
関西大学ソシオネットワーク機構6F会議室
このトーク(小川と渡邊)では、まず、大学をまたいだ被験者募集を可能にするRaven testについての説明をいたします。また、ヨーロッパなどの研究者の間では、被験者に与えるインセンティヴに関わる謝金スケールについて、ある程度の標準化がなされております。ただ、その方法やスケールには、最近、意思決定理論の面から異議がだされてもいます。日本における実験コンソーシアム構想実現のためには、この謝金スケールについても議論しなければなりません。このトークでは、最近書かれた意思決定論の論文を基に、謝金スケールについて問題提起いたします。
10:40-11:40 Cognitive ability and the effect of strategic uncertainty(with
Nicolas Jacquemet, Stephane Luchini, Adam Zylbersztejn): 花木伸行(Aix-Marseille
University)
関西大学ソシオネットワーク機構6F会議室
このトークでは、何故、ゲーム理論の実験では被験者の認知・推論能力の分布をRaven's scoreによって制御しなければならないかを説明します。実際の実験結果に基づく問題提起です。市場実験において、各被験者は価格を媒介として他の被験者の意思決定と関わっております。しかし、ゲーム理論の実験では、互いの意思決定が直接かかわり合いを持ちます。その意味で、既存の実験デザインはゲーム理論の実験にbest fitしているとはいえません。認知・推論能力だけでなく、被験者の先読み推論能力についても制御する必要もあるでしょう。
11:45-12:15(最大13:00まで) マッチングスピーチI(司会:栗野盛光(筑波大学))
関西大学ソシオネットワーク機構6F会議室
本ワークショップでは、研究者同士のマッチングマーケット(お見合いセッション)を開設いたします。理論が得意なひと、実験用コードを書くのが得意なひと、データ解析に関する高度な知識をもつひと、実験のデザインに特別なひらめきをもつひとをマッチし、新たな共同研究が始まることを期待しています。運営はマッチングの分野で最先端の論文を発表している栗野氏が担当します。
なお、お見合いセッションでのマッチングを円滑に進めるため、各参加者にショートトーク(1-2分)を行っていただきます。ご自身の得意な分野、ご関心をご披露ください。30分で終わらないことも考えられますので、ランチ持参が最善です。
※お見合いセッションにつきましては、以下のように進めて行きたいと思います。
1)理論(アイデア提供も含む)、プログラミング、実験環境の提供、データ解析、その他と5つのカテゴリーに分け、ご自身の得意なカテゴリーをウェブ登録時に申告いただきます。複数申告いただいてもかまいません。
2)ワークショップ参加受付におきまして、各カテゴリーのシールを用意しておきますので、申告されたもののシールを名札に貼ってください。複数申告された方は複数のシールを貼ってください。
3)17日のお昼休み前にマッチングスピーチの時間を設けます。1-2分でご自身の関心がある分野やご提供できるカテゴリー、研究を進めたい分野などをお話しいただけたらとおもいます。
4)お見合いセッションの時間帯をお使いになりながら、共同研究のご相談、あまり出会わなかった方の間での意見交換などを行っていただき、研究の推進や研究者間の交流の一助になれば幸いです。
午後の部
講義室で実験内容の説明を受けた後、実験室にて、実験用プログラムの使い方やデータ構造の説明を聞くことができます。実験用プログラムは原則、参加者に無償提供されます。各自、所属先に戻って、自由に追加
実験などを行えます。Raven's testについては、テストそのものに著作権があるため、約290ポンドでテストキットを購入いただいた学校に実験用z-treeコードを配布いたします。テストキット購入方法などに関するガイダンスも行います。short talkでは、発表希望者による研究発表を行っていただきます。発表時間は、希望者数にもよりますが、15-30分を予定しています。