Research themes

下降流

下降流における限界熱流束に関する研究

Critical heat flux for downward flow

Keywords:沸騰伝熱,限界熱流束

 気相と液相が混在した気液二相流が下降流になると,気相と液相が対向した流れとなるため,管内には非常に複雑な界面構造を持つ流動状態が形成される.本研究は下降流で形成される複雑な流動構造が,機器の安全性・健全性に大きく関わる限界熱流束にどのような影響を与えるのかを明らかにするものである.

液膜

環状流の液膜・液滴に関する研究

Liquid film and droplet in annualr flow

Keywords:環状流,液膜,液滴

 火力発電所などにおける蒸発管の内部には環状流が形成される.環状流は管内壁に沿って流れる環状液膜と,中心部を流れる液滴を伴う高速の気相から構成される.蒸発管の冷却には液膜流量の正確な予測・評価が重要となる.本研究では,蒸発管の出口部の一部を多孔質管に置き換えた液膜抽出法を用いた流量計測により,液膜・液滴流量特性を明らかにするものである.

プレート

プレートフィン流路における気液対向二相流に関する研究

Counter-current two-phase flow in a plate-fin channel

Keywords:気液対向流,プレートフィン

 空気分離装置などの分離・蒸留プロセスを行う蒸留塔では,蒸気−液間での蒸留を促進させるためにプレートフィン流路において,気相と液相が対向する気液対向二相流が形成されることから,安定操作範囲の上限を決めるフラッディング特性を把握することが重要となる.本研究では,X線ラジオグラフィを用いたプレートフィン流路内の気液対向二相流を可視化し,フラッディング特性を明らかにするものである.

WMS

WMSを用いたボイド率計測に関する研究

Measurement of void fraction by using a Wire-Mesh-Sensor

Keywords:ボイド率,ワイヤーメッシュセンサ(WMS)

 流路断面積に対して気相が占める面積の割合をボイド率といい,圧力損失,界面面積濃度,流動様式などを決定するうえで最も重要となる情報である.本研究は,高周波信号の送信ワイヤーと受信ワイヤーに一定の隙間に設け,交差させてメッシュ状に配置したワイヤーメッシュを作成し,各ワイヤーが直交する微小領域を計測対象として,同時・多点でのボイド率計測を試みるものである.

ラジオグラフィ

XRG/NRGによる気液二相の定量評価に関する研究

X-ray/neutron radiography

Keywords:X線/中性子ラジオグラフィ

 可視光を用いて外から内部を直接観察することができない金属管内での流動挙動を,水などの作動流体に対して減衰するX線や中性子線といった放射線を用いることで,可視化することができる.本研究では,このラジオグラフィ技術を用いることで,金属配管・構造物内を流れる気液二相流を可視化し,画像処理により定量評価を行うものである.