BitTorrentの実測に基づくユーザの振る舞いとシステム可用性の評価

合田 慎 笹部 昌弘 滝根 哲哉

In 電子情報通信学会技術研究報告(情報ネットワーク研究会), 2010

Abstract

Peer-to-Peer (P2P) ファイル共有システムに参加する各ユーザは,システム全体としての効率・性能の向上よりも各自にとっての利益を優先して行動する傾向がある.一方で,こうしたユーザの利己的な振る舞い及びそれらがシステム性能に与える影響に関しては不明瞭な部分が多く残されている.そこで本稿では,利用ユーザ数の多い BitTorrent システムを実測し,ユーザの振る舞いとシステムの可用性を評価する.実測は,ファイル共有に参加中のピアの情報を管理するトラッカ及び個々のピアとの通信を介して実現する.実測結果から,約半数のユーザがファイル取得完了後,数時間以内にファイルの公開を停止することを示す.さらに,長期間,ファイルの提供者となるピアが少数存在する一方で,ほとんどのピアがファイル取得中に他のピアに対する一時的な供給源となることでシステムが機能していることを示す.

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    合田 慎, 笹部 昌弘, 滝根 哲哉, BitTorrentの実測に基づくユーザの振る舞いとシステム可用性の評価, 電子情報通信学会技術研究報告(情報ネットワーク研究会), 110(116), pp.85-90, July 2010.

    BibTex Reference

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