交通渋滞は経済・時間損失を引き起こす社会的な問題となっている. 交通渋滞の主な原因は,各ユーザ(またはナビゲーション・ソフトウェア)における自身の旅行時間の最小化を目指した利己的ルーティングにある. 自身の旅行時間を優先する利己的ルーティングは,他者からみると利己的にみえるが,自身にとっては合理的な判断となるため,このようなユーザの価値観を変更することは容易ではない. 本研究では,このようなユーザの価値観の変更は困難であるという前提の下,道路網の渋滞状況をサーバが適切にユーザに伝えることで,ユーザの利己的経路選択の結果,社会最適な経路割当状況を実現する方式を提案する. グリッド状の道路網を用いた基本特性評価により,提案方式が社会最適な道路利用状況と同等の性能を実現できることを示す. また名古屋駅南西の実道路網を用いた評価により,提案方式が利己的ルーティングと比較して平均旅行時間を27.2{textbackslash}%改善できることを示す.
原 崇徳, 笹部 昌弘, 笠原 正治, [奨励講演] 道路網におけるユーザの利己性を考慮した最適ルーティングのためのトラヒック情報制御方式, 電子情報通信学会技術研究報告(ネットワークシステム研究会), 118(371), pp.23-28, December 2018.
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