無線メッシュネットワークはマルチホップの無線リンクによって構成され,低コストで容易に導入できることから近年関心が高まっている.無線リンクによる接続はネットワークの拡張性の向上や柔軟な構成を容易にする一方で,隣接メッシュノード間で同時に複数の送信を行うと電波の干渉を引き起こすため,無線資源の利用効率の低下に繋がる.TDMA方式ではリンクスケジューリングによって同時に送信を行うリンクに異なるタイムスロットを割り当てることで干渉を回避する.しかし,干渉するリンクが多い状況では,リンクスケジューリングの効率が低下し,無線資源の利用効率が悪化する.このとき,メッシュノードの通信電力を調整することで通信距離を制御し,干渉を減らすことができれば,無線資源の利用効率の改善が期待できる.そこで本稿では,TDMA方式を用いた無線メッシュネットワークにおいて,メッシュノードの通信電力を調整することで,無線資源の利用効率を向上する電力制御手法を提案する.シミュレーション評価の結果,無線メッシュネットワークの規模に応じた最適な設定を行うことで,無線資源の利用効率が最大22{textbackslash}%向上できることを示す.
秀熊 俊昭, 長谷川 剛, 笹部 昌弘, 中野 博隆, 無線メッシュネットワークにおける無線資源の利用効率を向上するための電力制御手法, 電子情報通信学会技術研究報告(アドホックネットワーク研究会), 108(151), pp.61-66, July 2008.
@article{hidekuma08an, author = "秀熊, 俊昭 and 長谷川, 剛 and 笹部, 昌弘 and 中野, 博隆", title = "{無線メッシュネットワークにおける無線資源の利用効率を向上するための電力制御手法}", year = "2008", month = "July", journal = "電子情報通信学会技術研究報告(アドホックネットワーク研究会)", volume = "108", number = "151", pages = "61--66" }