一般接尾辞木を用いた避難軌跡間の類似度評価

岩本 好広

修士学位論文, 2021

Abstract

大規模な災害が発生した際,被災者には迅速かつ安全な避難が求められる.既存研究では,避難者の保持するモバイル端末を用いた自動避難誘導方式が提案されており,この方式により各避難者の軌跡がサーバに集積される.集積された避難軌跡を類似度に基づき分類できると,大局的な避難行動の分析などへの応用が期待できる.そこで本論文では,避難軌跡の分類に必要となる軌跡間の類似度の計算方式を提案する.避難誘導の状況下では,通行不能箇所に遭遇した際に生じる迂回行動など,平常時と比較して軌跡が複雑になる傾向がある.そのため軌跡間の地理的な近さよりも,重複する道路のパターンや出現頻度による類似度に基づく分類がより適していると考えられる.本論文では,避難者の軌跡を道路IDの列からなる系列データとしてみなし,一般接尾辞木を利用した系列データ間の類似度計算方式を拡張することで,避難軌跡間の類似度を算出する.既存の避難誘導シミュレータにより得られた軌跡データを利用した数値実験より,軌跡間の類似度に関する基本的な性質を示す.

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    岩本 好広, 一般接尾辞木を用いた避難軌跡間の類似度評価, Ph.D. Dissertation, 奈良先端科学技術大学院大学, 修士学位論文, March 2021.

    BibTex Reference

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        year = "2021",
        month = "March",
        school = "奈良先端科学技術大学院大学"
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