避難者・モバイル端末間連携に基づく自動避難誘導方式における渋滞を考慮した経路選択に関する一検討

笠井 裕貴 笹部 昌弘 笠原 正治

In 電子情報通信学会技術研究報告(コミュニケーションクオリティ研究会), 2016

Abstract

大規模災害発生後,被災者は迅速に安全な避難先へ移動する必要がある.一方,迅速な避難支援を目的に,避難者が所有するモバイル端末を用いた自動避難誘導方式が提案されている.ただし既存研究では,避難所までの最短距離に基づく距離優先型経路選択を用いており,特定の道路への避難者の集中による渋滞が避難時間へ与える影響が考慮されていない.そこで本稿では,自動避難誘導方式における渋滞を考慮した経路選択の有効性を検証する.まず,道路上の人口密度と同方向に移動する避難者内での順番に応じて各避難者の移動速度が決まる渋滞モデルを定義する.この渋滞モデルに基づき各道路の通行時間を示すコストを定義する.各避難者は避難所までの総コストが最小となる経路を選択する.シミュレーション評価により,従来の距離優先型経路選択と比較して,渋滞考慮型経路選択は混雑度が増すほど,平均避難時間および最大避難時間の観点で改善効果が高いことを示す.

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    笠井 裕貴, 笹部 昌弘, 笠原 正治, 避難者・モバイル端末間連携に基づく自動避難誘導方式における渋滞を考慮した経路選択に関する一検討, 電子情報通信学会技術研究報告(コミュニケーションクオリティ研究会), 116(161), pp.1-6, July 2016.

    BibTex Reference

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