Tit-for-Tat型P2Pファイル配信におけるピアのchurnが平均ファイル取得時間に与える影響

香山 侑槻 笹部 昌弘 笠原 正治

In 電子情報通信学会技術研究報告(ネットワークシステム研究会), 2018

Abstract

P2Pファイル配信におけるフリーライダー問題の抑制には,ピア間のピースの交換を促すTit-for-Tat (TFT)戦略が有効であることが知られているが,TFT型P2Pファイル配信の最適性については十分に明らかにされていない. そこで本論文では,ピアの途中離脱と途中参加で構成されるchurnが平均ファイル取得時間に与える影響を分析する. 具体的には,ピアのchurnの前後の状況に着目し,それぞれにおけるファイル配信を最適なピースフローの決定問題として定式化する. この問題は整数線形計画問題として定式化できるため,既存の線形ソルバにより最適解を導出できる. 数値評価により,まず,1台のピアの途中離脱,churnに着目した分析により,途中離脱やchurnがシステム全体の性能に与える影響は限定的であることを示す. 一方で,途中離脱ピアと途中参加ピアに着目した分析では,途中離脱ピアの保持するピースの希少性と残存ピアの平均ファイル取得時間との間には強い正の相関があること,途中参加ピアは既存ピアと比較して有利にファイル取得を進められることを明らかにする. 最後に,churnの規模を変更した場合の分析により,churnの規模と発生時点に応じてファイル配信期間は増える一方で,平均ファイル取得時間の観点ではchunrが生じない場合よりも僅かに低くなることを示す.

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    香山 侑槻, 笹部 昌弘, 笠原 正治, Tit-for-Tat型P2Pファイル配信におけるピアのchurnが平均ファイル取得時間に与える影響, 電子情報通信学会技術研究報告(ネットワークシステム研究会), 117(459), pp.79-84, March 2018.

    BibTex Reference

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