2クラスTit-for-Tat型P2Pファイル配信における最小配信時間の解析

清光 将生 笹部 昌弘 笠原 正治

In 電子情報通信学会技術研究報告(ネットワークシステム研究会), 2021

Abstract

ソフトウェアやその更新データの配信などを中心に,インターネット上での大規模ファイル配信の需要は増加の傾向にある. 一方で,新規ファイルの公開直後,配信サーバにアクセスが集中することで配信効率が低下することが大きな課題となっている.このような課題に対し,Windows Updateなど一部のシステムでは,ユーザ端末(ピア)による配信補助を利用したPeer-to-Peer (P2P)配信の採用を進めている.ただし,ピアの協力には自身の通信帯域の消費を伴うため,適切なインセンティブの設計が,協力的なP2P配信には不可欠となる.本稿では,ピア間の等価なピース交換を促す,ゲーム理論におけるTit-for-Tat (TFT) 戦略を採用したTFT型P2Pファイル配信に着目する.% 既存研究では,TFT型P2Pファイル配信における配信時間の最小化問題を流体モデルを前提とした線形計画問題(Linear Program: LP)として定式化し,その性能を明らかにしている.特に,広帯域ピアと狭帯域ピアのみからなる2クラスTFT型P2Pファイル配信における,最小配信時間とシステム・パラメタ(ピア数,回線容量など)との関係を解析的に導出する.数値評価により,解析結果の妥当性を示すとともに,TFT型P2Pファイル配信の性能を従来のクライアント--サーバ型配信,通常のP2P型配信の性能と比較評価する.

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    清光 将生, 笹部 昌弘, 笠原 正治, 2クラスTit-for-Tat型P2Pファイル配信における最小配信時間の解析, 電子情報通信学会技術研究報告(ネットワークシステム研究会), 120(413), pp.143-148, March 2021.

    BibTex Reference

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