ネットワーク機能を汎用サーバ上でソフトウェアとして動作させる技術としてネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization: NFV)が注目されている.NFV ネットワークでは,任意のネットワークサービスをVNFの連なりであるサービスチェインとして表現できる.NFV ネットワークにサービスチェイン要求が到着すると,NFV オーケストレータが必要となるノードやリンクの資源制約と VNF の実行順を保証した上で,始点から終点へと至る経路(サービスパス)を構築する.本稿では,このようなサービスチェイニング問題において,複数のサービスブローカが存在する状況を想定する.道路網を対象とした,ゲーム理論に基づく既存の分散型経路選択方式に倣い,複数ブローカ間での競争的サービスチェイニングを提案する.ブローカが自身の顧客のみに対するサービスパス遅延の最小化を目指す利己的な場合とシステム全体の最適化を目指す協調的な場合の2種類の状況を想定した比較評価により,低負荷時には両者の差が限定的であるのに対し,高負荷時には後者の方がより低遅延なサービスパスを実現できることを示す.
小倉 亮平, 笹部 昌弘, 笠原 正治, NFVネットワークにおける複数ブローカ間での競争的サービスチェイニング, 電子情報通信学会技術研究報告(ネットワークシステム研究会), 122(406), pp.31-36, March 2023.
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