避難者とモバイル端末が連携することで自動的な避難誘導を可能とするシステムが提案されている. 既存研究では,モバイル端末間での通行不能箇所に関する情報の共有にDelay Tolerant Network (DTN)における感染型ルーチングを用いることを想定している. 感染型ルーチングでは,通信相手によらず,相手の保持していない情報をすべて送信する. しかしながら,避難誘導の観点では,避難者が必要とする通行不能箇所の情報は,避難者の現在位置と避難所の位置に依存する. そこで本稿では,モバイル端末が他のモバイル端末や通信インフラストラクチャと通信可能となった際に,自身の位置と目的地の情報に基づき適切な通行不能箇所の情報を互いに取得することで,ネットワークの負荷を抑えた情報共有方式を提案する. シミュレーション評価により,感染型ルーチングと比較して提案方式が避難誘導効果を低下させることなくネットワーク負荷を約1/36に軽減できることを示す.
小松 展久, 笹部 昌弘, 川原 純, 笠原 正治, 避難者・モバイル端末連携型自動避難誘導システムにおける情報共有方式に関する一検討, 電子情報通信学会技術研究報告(コミュニケーションクオリティ研究会), 115(496), pp.7-12, March 2016.
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