Peer-to-Peer (P2P) 型ファイル共有システムでは,ノードが協力的にファイルをキャッシュし,他のノードへ提供することでファイル可用性が向上する.しかしながら,ファイルのキャッシングにはストレージの消費,処理負荷,帯域の消費などのコストがともなうため,ユーザが自身の利益のみを優先しキャッシングに対して非協力的な行動をとると,需要の低いファイルがシステムから消失するなどの問題が発生する.そこで本稿では,ユーザの利己的な振る舞いがシステム全体の性能に与える影響を進化ゲーム理論を用いて明らかにする.特に,キャッシングに対する積極性がユーザごとに異なる状況において,ユーザの多様性がファイル可用性の観点で有利に働くことを示す.
松田 悠介, 笹部 昌弘, 滝根 哲哉, 進化ゲーム理論を用いた P2P ファイル共有システムの性能評価, 日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第 163 委員会meet24, November 2008.
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