P2Pファイル共有システムでは,ファイルのやりとりが個々のノード間で行われることから,システム内の状況やシステムの挙動を把握・制御することが非常に困難である.本稿では,P2Pファイル共有システムの一つであるWinnyにおいて,ユーザの関心の高い高頻度に流通するファイルを実時間で計測可能なシステムの設計と実装を行う.計測用のノードを実際のWinnyネットワークに導入し計測を行うが,他のノードから受信した検索要求のみを解析の対象とするパッシブ計測を用いることで,計測負荷の軽減と状況変化への高い追従性を実現する.さらに,情報の解析にはスライディングウィンドウ方式と頻出パターンマイニング手法を複合的に用いることで,実時間計測を達成する.実証実験の結果を通じて,高頻度流通ファイルの時間変化を実時間で詳細に把握できることを示す.
松森 智哉, 笹部 昌弘, 滝根 哲哉, P2Pファイル共有システムにおける高頻度流通ファイルの実時間計測, 電子情報通信学会技術研究報告(情報ネットワーク研究会), 109(79), pp.5-10, June 2009.
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