ファイル共有システムにおける進化ゲーム理論を用いたキャッシングアルゴリズム

笹部 昌弘 若宮 直紀 村田 正幸

In 電子情報通信学会技術研究報告(情報ネットワーク研究会), 2007

Abstract

P2P ファイル共有システムでは,ノードは自分の必要とするファイルを検索,取得する.複数のノードが 同一ファイルをキャッシュし,他のノードに提供することによって,低遅延でファイル可用性の高いファイル共有が期 待できる.しかしながら,ファイルのキャッシングには処理負荷,ストレージ資源などのコストがかかるため,ノード が利己的に振る舞うと,十分にファイルがキャッシュされず,特に人気の低いファイルがシステムから消失するなどの 問題が発生する可能性がある.そこで本稿では,ノードの自律的,利己的な振る舞いによってシステム全体で適切な キャッシングが行われる機構の実現を目指し,進化ゲーム理論により,ノードの振る舞いがシステム全体のダイナミク スに与える影響について検証した.その結果,キャッシングに対するコストと需要のモデルによっては,ノードが利己 的に振る舞ったとしてもファイルがシステムから消失することのない,ファイル共有が実現可能であることを示した.

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    笹部 昌弘, 若宮 直紀, 村田 正幸, ファイル共有システムにおける進化ゲーム理論を用いたキャッシングアルゴリズム, 電子情報通信学会技術研究報告(情報ネットワーク研究会), 106(461), pp.97-102, January 2007.

    BibTex Reference

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