暗号通貨システムBitcoinでは,参加端末からなるP2Pネットワーク上でプル型のブロードキャストを用いて,取引情報やその塊であるブロックをやりとりしている. このとき,分散型取引台帳であるブロックチェーンへの追記による報酬獲得を目指した特別な端末(マイナー)間では自身の生成したブロックの拡散競争が生じる. 一方,既存研究では隣接ピア間のブロック伝搬を妨害する攻撃の可能性が指摘されている. 本稿では,このような隣接ピア間のブロック伝搬妨害の様子を感染症の伝播モデルに着想を得た数理モデルとして確立し,妨害攻撃がネットワーク全体としてのブロック拡散速度に与える影響を示す.
笹部 昌弘, Bitcoinネットワークにおけるブロック拡散妨害に関する一検討, 電子情報通信学会総合大会講演論文集, B-11-14, pp.1, March 2019.
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