暗号通貨システムBitcoinでは,ユーザ端末(ピア)間で論理的に構築されたBitcoinネットワークを用いて取引情報がやり取りされる. 各ピアでは,取引台帳をブロックチェーンとして分散的に管理しており,取引情報やその集まりであるブロックのBitcoinネットワーク上での迅速な拡散がBitcoinシステムの正常な動作に必須となる. 一方で,既存研究では,正規のBitcoinプロトコルにおけるタイムアウト制御の悪用による,隣接ピア間でのブロック伝播を妨害する攻撃の可能性が指摘されている. 本研究では,特定のマイナーと結託した複数の攻撃者がブロック伝播妨害を多面的に展開する,ブロック拡散妨害リスクに着目する. 特に,ブロック拡散妨害の様子が感染症の伝播や拡散防止に類似している点に着目し,ブロック拡散妨害を数理モデルとして確立し,その特性を数値評価により明らかにする.
笹部 昌弘, Bitcoinネットワークにおけるブロック拡散妨害の感染症伝播モデルに着想を得た数理モデル化, 電子情報通信学会技術研究報告(RISING), November 2019.
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