4K/8K高精細動画配信,自動運転,Internet of Things (IoT)ネットワークなど,増加・多様化するサービス需要に対し,5Gネットワークでは,高速大容量,高信頼低遅延,多数同時接続を可能とする通信基盤の確立を目指している.特に,ネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization: NFV)に基づくネットワークスライシング技術を用いることで,同一の物理ネットワーク上に各サービスに特化した仮想的なネットワーク(スライス)を構築できるため,限られた資源制約の下,多様なサービスの収容が期待されている.ここで,スライス上で提供されるサービスは,複数の仮想ネットワーク機能(Virtual Network Function: VNF)の列からなる一つ以上のサービスチェインとして実現される.スライスの実現には,各サービスチェインに対する機能・資源への要求に対し,物理ネットワーク上のノードやリンクの資源を適切に割り当てたエンド間の通信経路(サービスパス)の確立が求められる.本論文では,サービスパスの低コスト・低遅延を同時に実現可能な資源割当問題を多段階の混合整数線形最適化問題として定式化する.既存の線形ソルバを用いた数値評価により,提案手法を用いることで,スライス提供コストの最小化を目的とする既存手法と同じコストを実現した上で,Abileneネットワークにおいて,平均サービスパス遅延を約6.2%改善できることを示す.
田中 誠也, ネットワークスライシングにおける低コスト・低遅延なサービスパスの実現, Ph.D. Dissertation, 奈良先端科学技術大学院大学, 修士学位論文, March 2022.
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