無線ネットワーク容量を最大化する通信距離の導出

時任 宏 笹部 昌弘 中野 博隆

In 日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第 163 委員会meet22, 2007

Abstract

無線アドホックネットワークでは,領域内におけるノード数の増加にともない,電波の衝突によるネットワーク容量の低下が問題となる.特に,送受信ノードが互いの送信電力範囲内に存在しない場合には,他のノードを経由して情報を交換するマルチホップ通信が必要となり,その場合にはホップ数の増加に伴いスループットが低下してしまう.限られた電波資源を有効に活用するための方法として,送信ノードが通信範囲を調整することにより,領域をノード間で空間的に分割することが考えられる.その際,次ホップのノードまでの距離を通信距離とすることができれば,ネットワーク容量の大幅な改善が期待できるが,他ノードとの距離を高精度で計測することは困難であると考えられる.そこで本研究では,すべてのノードが均一な通信距離を用いた場合に,領域全体のネットワーク容量を最大化する通信距離を解析とシミュレーション評価により明らかにした.その結果,ネットワーク容量を最大にする通信距離はノード密度に依存し,ネットワーク容量の最大値はノード密度に依らない値をとることが明らかになった.さらに,通信範囲の調整を行わない場合と比べて1.8倍のネットワーク容量を実現できることを示した.

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    時任 宏, 笹部 昌弘, 中野 博隆, 無線ネットワーク容量を最大化する通信距離の導出, 日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第 163 委員会meet22, November 2007.

    BibTex Reference

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        author = "時任, 宏 and 笹部, 昌弘 and 中野, 博隆",
        title = "{無線ネットワーク容量を最大化する通信距離の導出}",
        year = "2007",
        month = "November",
        journal = "日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第 163 委員会meet22"
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