無線メッシュネットワークでは,複数の無線基地局(メッシュノード) を無線リンクにより相互接続することで,無線リンク間の電波干渉の問題はあるものの,広範囲な無線アクセス環境を低コストかつ容易に構築できる.無線メッシュネットワークをインターネットアクセスのためのインフラとして用いる場合,有線ネットワークとの接続拠点であるゲートウェイノードにトラヒック負荷が集中するため,複数のゲートウェイノードを設置しトラヒック負荷を分散させる必要がある.本稿では,複数のゲートウェイノードを持つTDMA 型無線メッシュネットワークにおいて,ゲートウェイノードの負荷,有線ネットワークへのアクセス回線容量及び無線リンク間の電波干渉を総合的に考慮し,有線ネットワークへ流れるトラヒック量(システムスループット) を最大化するスパニングツリーの構築法を提案する.シミュレーション評価の結果,提案手法はボトルネックの位置によらずシステムスループットを向上でき,従来の最短経路ツリー構築法に比べ,最大で3.1 倍の性能を実現できることを示した.
時任 宏, 笹部 昌弘, 長谷川 剛, 中野 博隆, TDMA型無線メッシュネットワークにおける負荷分散及び電波干渉軽減のためのスパニングツリー構築法, 電子情報通信学会技術研究報告(情報通信マネジメント研究会), 108(481), pp.1-6, March 2009.
@article{tokito09icm, author = "時任, 宏 and 笹部, 昌弘 and 長谷川, 剛 and 中野, 博隆", title = "{TDMA型無線メッシュネットワークにおける負荷分散及び電波干渉軽減のためのスパニングツリー構築法}", year = "2009", month = "March", journal = "電子情報通信学会技術研究報告(情報通信マネジメント研究会)", volume = "108", number = "481", pages = "1--6" }