本稿では,2値センサを利用した建物内におけるオブジェクトの追跡手法につい て検討する.建物内には,扉や階段といったオブジェクトの移動速度が一時的 に変化する地点(ゲート)が存在する.ただし,ゲートの通過前後ではオブジェ クトの移動速度は大きく変化しないと考えられる.そこでまず,領域全体をゲー トを出入り口に持つ小規模な領域(サブ領域)に分割する.サブ領域内でのオブ ジェクト追跡にはベイズ推定に基づく従来方式を用いる.従来方式では,統計 的な移動速度情報を用いてオブジェクトの追跡を行うため,サブ領域間で移動 速度情報を共有するための方式を導入することで追跡精度の向上が期待できる. シミュレーション評価により,提案方式を用いることで追跡の成功率が最大で 約 35 % 向上することを示す.
渡邉 孝文, 笹部 昌弘, 中野 博隆, 連続的なベイズ推定による複数の領域を通過する人物の追跡, 電子情報通信学会技術研究報告(コミュニケーションクオリティ研究会), 107(524), pp.353-358, March 2008.
@article{watanabe08ns, author = "渡邉, 孝文 and 笹部, 昌弘 and 中野, 博隆", title = "{連続的なベイズ推定による複数の領域を通過する人物の追跡}", year = "2008", month = "March", journal = "電子情報通信学会技術研究報告(コミュニケーションクオリティ研究会)", volume = "107", number = "524", pages = "353--358" }