Bitcoinシステムでは,ネットワーク上の各ノードが同じBitcoinプロトコルに従い,ブロックを速やかに拡散することが期待される. 一方で,Bitcoinクライアントはオープンソースで開発されており,悪意のあるノードが改変することも可能である. 先行研究では,ブロック転送時に設けられた正規のタイムアウト制御を攻撃者が悪用することで,隣接ノードに対するブロックの伝搬を遅らせる攻撃(ブロック伝搬遅延攻撃)の可能性が指摘されている. 本稿では,特定のマイナー(ブロックの生成を試みる特別なノード)が複数の攻撃者と結託し,競合するマイナーの生成したブロックの拡散を妨害する,ブロック拡散遅延攻撃という新たなリスクに着目する. シミュレーション評価により,攻撃者の数がブロック拡散遅延攻撃のリスクに与える影響を明らかにする.
山本 将成, 笹部 昌弘, 笠原 正治, Bitcoinネットワーク上でのブロック拡散遅延攻撃における攻撃者数の影響, 電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集, B-11-10, pp.166, September 2019.
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