日々雑記
長谷川等叔
2018-8-1
能登から帰宅後、緊張の連続からか腹痛を起こしてダウン。ようやく回復
同行していただいた絵画の専門家。
あれこれ雑談しているうちに、長谷川等叔の話題で盛り上がる。
若い頃に堺の郷土史家に連れられて寺の仏間虹梁の彩色画をみたという。某寺だ。 その後、某寺周辺で悉皆調査が行われて、等叔の作品もたくさん確認されて他にも多数ありますと。 報告書やら知っている資料を束ねて送る。
長谷川等伯後の長谷川派の作品はそれこそ無数にあるが、まとまった展覧会は皆無。
近世絵画でも仏教美術となると、二の足を踏むらしい。 おかしなこと。
浄土の蓮
2018-8-3
私用で明日香村。お昼に着き、時間調整で国営飛鳥歴史公園館(高松塚周辺)。
園地には蓮池。しばし眺める。
開ききった蓮華などをみながら、蓮弁、蕊、蓮肉、未敷蓮華など、仏像関係の蓮を思い浮かべている。
極楽浄土に思いを馳せる・・・。
いざ出立。
子は親の姿をみて育つ
2018-8-4
大阪市市長が、全国学力調査の結果について校長や教員の評価や賞与に反映させる意向。
猛暑が続くためか、なにもかもむちゃくちゃ。
前市長からそうだが、同じ授業を受けて理解できる子と理解できない子もがいる、これは大学でも当たり前のこと。
家庭問題がすっぽり抜けている。親がお笑い番組ばかり見て、携帯いじってるようでは優秀な子が育つわけはない。
現役教員はもちろん、志望者も少なくなるだろう。いまや、教員は“公認超ブラック企業”。
吃驚
2018-8-7
朝から猛暑のなか調査。
一部では知られるが、吃驚するほどの御像だが未指定。どういうことなのかと訝る。
ケヤキ材の一木造、内刳りなし。重い・・・。
保存状態もほぼ良好。村中にあって監視の目もあり、盗難ということはないが、それにしても惜しい。 地元に愛される御像だからこそ、展覧会歴は皆無。
調査が終り、もうひとつのハプニング(よい意味で)があることも知らずに遅い昼食。
査読
2018-8-8
午前中、某市文化財審議会。なぜかこのところ文化財審議会になると体調不良になり欠席がち。
大阪北部地震の翌日に出向いた調査(お手伝い)の報告。
「元亀」銘のある奈良絵本ぽいウブな絵巻が完存していた旨を報告すると、絵画担当の委員から「私も見たい」との発言。
「お寺さん(所蔵者)ではありませんが、いつでもどうぞ。」と。
この先生も作品をちゃんとお膳立てしないといけないのかと思いながら、ふと「調査を嫌がる研究者も増えてきた」との会話を思い浮かべる。
午後からは、近傍の大学図書館で図書閲覧。
既に夏休み。館内は学生が少なく、ゆっくりと閲覧。
査読結果
2018-8-9
昨日、某氏と共同で投稿した論文の査読結果が来た。 査読付論文は久しぶり。
ドキドキしながら結果をみると、「2 小規模な修正を要するが、修正が適切に行われたと編集委員会が判断すれば再査読無しで掲載して良い」。
安堵しながら要修正事項をみると、ごもっともな指摘がふたつ。
ひとつは、「七条左京家」という用語は、仏師の自称なのか他称なのか、研究者による命名なのか事も含めて基本的事項の補足的な説明が必要とのこと。
ふたつめは査読者も系図を片手に査読したので、簡略な系図を付してほしい。
系図は某氏の論文とも関わるので、連絡をとって、まずこちらが系図を作成し、そこに某氏が追加する形で、朝から系図作成に励む。
でも、嬉しかったのは査読者も三男、二男、長男の不思議な継職に気づいていたこと。
系図作成がひと段落し、あとは「七条左京家」の基本事項を追加。
今日から家人と末娘、海外へ「バケーション」。
緊急事態
2018-8-10
夕刻、電話があり末娘がパスポートを紛失したとの由。家人同行ながらまたなぜ?
既に探し回っても見つからず、現地警察で盗難紛失届を出し、日本領事館にも出向いたという。それで「帰国のための渡航書」を発給してもらうので戸籍抄本(謄本)が必要らしい。
「いや、こっちは金曜日の5時過ぎだよ。月曜になるわ・・・」と話しながら仕事中のパソコン画面を市役所のHPに移すと、なんと某出張所は平時午後8時まで、土日午前中も開所している。
「1時間ほどしたら、送るわ。」と。すぐさま某出張所まで出向く。帰宅後スキャンして娘のメルアドに送付・・・。
再び電話があって、届いたとのことながら、日本領事館は土日休みで帰国は月曜日、あと2泊延泊とのこと。
いったい何をしてるんや、あなた方は。
束の間の独身生活
2018-8-13
5日間、久しぶりの独身生活(with 猫)。
仕事がよくはかどる・・・。
夕刻に関空へお出迎え。
到着口で待っていると、ガチャガチャが並んでいる。
普段は見向きもしないが、「びじゅチューン」のガチャを探している・・・あった!
生まれて初めてコインを入れて回すと、出てきたのが「武蔵」。 ふたりとも反省しきりながら、こちらはニコニコ顔。
いま、武蔵は窓辺に立っている。
問合せ
2018-8-14
朝、知人から近世仏像に関して問い合わせ。
添付のローカル紙には金銅製とあるが、メールでは木製のよう・・・。
あれこれと資料にあたりたいものの、全ての資料は大学。こちらも手元資料が必要なので、大学へ向かう。
一斉休業ながら、幾人かの先生にお会いする。
大部の個人蔵書が数冊、当該頁をコピーしようと思ったが、コピーカードは自宅(先月の他大学図書館で教職員証が必要だったので)。やむなく薪のごとく背負って帰宅。
ようやく資料ができて、送る準備をしていると、新着メールのお知らせ。 滞りなく送って新たなメールを開くと、別の知人からも問い合わせ。今度は仏師・・・。
内容を理解した後、閉じてコーヒーを淹れて一服。
ちょっと連続では続かない。
書き起こし
2018-8-15
午前中に墓参りを済ませ、自宅で過日講演会の「書き起こし」校正。
読んでいくうちに、徐々に気が滅入ってくる。
「そういうことなんで~」「ちゃうんですわ」と馬鹿丸出しの弁。
一部に関西弁を残しながら、標準語に直しつつ筋書通りの文章に改めてていく。 書き起こしをされた人もたいへんだろうが、修正するのもたいへん。
講演者で書き起こしが好きな人がいるのだろうかと、ふと思う。
龍谷大学図書館
2018-8-20
午後から龍谷大学図書館。和本の閲覧。仏教関係の和本となれば、西日本随一である。
さすがにコピーというわけにはいかないので、読みながら適宜、鉛筆で筆写していく。
午後いっぱい使って、調査終了。
面白いことに土佐光成筆某肖像画の賛が、光成死後、50年ほど後の「追賛」であることが判明。
こういう面白いことは、足を運んでこその成果である。
ちなみに写真の建物は図書館ではない・・・。
那覇
2018-8-23
恒例となった那覇の会議。
台風接近にて、JRは午後から運休の予定。大過なくお昼前に那覇に到着。那覇はいつも通りの快晴。
ソーキそばを食べて午後から会議に臨む。
夕刻、関係者と地元の居酒屋で飲むが、閉店近くまで我々のみ。 いぶかっていると、地元関係者が「今日はウンケー(お盆初日)。店閉めているところも多いですよ」と。
ほろ酔い加減で、携帯をみると風雨強くたいへんとの由。姫路に上陸したらしい。
ちょっと心配。
博物館実習
2018-8-24
沖縄県立博物館・美術館。
1Fのエントランスホールで「博物館実習展」が今日から開催。 知己の学芸員と一緒に見学。TV局の取材クルーが現れ、学生や観覧者に取材している。 「夕方のニュースらしい」と学芸員氏。内地ではまずありえない光景。
「普段の企画展では内容紹介しても(取材に)来もしないのに。」とポツリ。
「いやぁ、ナカビ(お盆の中日)だから、(ニュースの)ネタがないんでしょう」と応える。
午後遅く、子供連れの観光客でごった返す空港から帰阪。
余震
2018-8-28
大学で仕事をしていると、突然ドンと縦揺れ。短かったが強く感じ、思わず机の端を握る。
ネットの地震情報をみると、大坂北部震度3。
吹田市は震度2ということだが、そういう体感ではない。
慌てて自宅へ電話すると、「なに?」と。まったく揺れなかったようである。
淀川と大和川を挟んで、まったく別世界。
少し怖くなって、早々に帰宅。
ネガキャン
2018-8-29
学者・研究者は時にミスリードしてしまう。その影響を考えてコメントしないとよくないし、何も考えない輩は学者の尻馬に軽々と乗ってしまう。
某城郭考古学者が「(尼崎城の)石垣はコンクリートに石をスライスして貼り付けたもの。さらに驚くのは、算木積みを理解していない、近世城郭とはかけ離れた石垣の意匠。学術性に基づかないと、どういうことが起きるかを示す典型例。本当に残念。」とコメント(Twitter)。
予算の関係で市独自で博物館が出来ないなか、地元の家電販売会社社長が建設費を寄付し、来年春に完成。城内部は博物館になるというのに、上記のコメント。
ところが、現地に行ったこともなく、城郭考古学者の的外れ(木造博物館?)なコメントの尻馬に乗る輩が続々現れ、”エディオン城”と揶揄する始末。
あまりに酷いので「じゃ、大坂城はいいのですね。そちらのほうは黙殺ですか?」「オール木造博物館ですか」などと猛反論。
最後は「ちょっとつぶやいただけなのに、スルーするほうがキレイじゃないですか。」と落城。
6月から#エディオン城のタグ貼って、なにが「ちょっとつぶやいた」だけなのか。
バカッターと言われるだけのことはあるなと思う。
現地に足を運んで、正確な情報を得て状況判断することが難しい人たち。
それを世間では・・・。
日々進化
2018-8-31
今日で8月も終わり。
むぅ、色々と残っている・・・。
調査して報告書を作成するが、調査の興奮とともに「報告は夏休みの宿題ということで・・・」と自分で自分の首を絞めている。
説明しないといけないことばかり。書いてはまどろっこしく感じ、ver1、ver1-2と似たような文書が次々出来上がり、なかなか前に進まない。
この夏はじっくりと時間もあったのに。
年々、ペースが落ちている。